シェイクスピア『リア王』あらすじ紹介。娘からの甘い言葉に騙され、全てを奪われた! うわべだけの愛情表現を見抜けなかった老王の末路

文芸・カルチャー

公開日:2023/4/7

 イギリスの劇作家であるウィリアム・シェイクスピアは、『ハムレット』『オセロ』『マクベス』『リア王』という四大悲劇を書き残しています。なかでも、『リア王』はシェイクスピア悲劇の最高峰と評され、演劇史に燦然と輝いている作品です。この記事では、そんな『リア王』のあらすじを紹介します。

リア王

『リア王』の作品解説

『リア王』は1606年に宮廷で上演されたという記録が残されていることから、1606年以前に書かれたと推定されています。リア王のモデルとなったのは、古代ブリトン人の伝説の王レイアで、その題材をシェイクスピアは様々な資料から集めたそうです。最も代表的な資料は、1587年に出版された『イングランド・スコットランド・アイルランドの年代記』とされており、これは12世紀前半に書かれた『ブリタニア列王史』に基づいて書かれたと伝えられています。

『リア王』の主な登場人物

リア王:ブリテンの王。

ゴネリル:リア王の長女。

リーガン:リア王の次女

コーディリア:リア王の末娘。フランス王の妃となる。

『リア王』のあらすじ​​

 ブリテンを治める高齢のリア王は退位することを決め、3人の娘たちに国を分割して分け与える。そしてリア王は、娘たちの中で自分への愛情が最も深い者から順番に領土を与えていくことを考え、彼女たちを試す。

 長女ゴネリルと次女リーガンは、言葉巧みに美辞麗句を並べてリア王を喜ばせるが、末娘のコーディリアは、父への感謝の気持ちを述べたのみで、姉たちのようにお世辞を言わなかった。リア王は実直な物言いをするコーディリアに腹を立てて勘当し、姉2人に領土を譲るが、コーディリアの素直な心に感心したフランス王は、王妃としてコーディリアを迎え入れる。

 こうして退位したリア王だったが、ゴネリルとリーガンは領土を譲り受けるや本性を現して父を疎んじるようになった。その後、権力を失ったリア王は荒野をさまようことになり果てるまでに。

 その後リア王は、フランス王妃となっていた末娘のコーディリアの助けを借りて、ゴネリルとリーガンに戦いを挑むも敗北し、捕らえられたコーディリアは殺されてしまう。リア王はコーディリアの遺体を抱きながら、狂乱。悲嘆のうちにリア王も息を引き取った。

<第64回に続く>