近くて遠い幼なじみへの恋心。もどかしさにキュンキュンが止まらない!『隣のステラ』/斉藤朱夏のしゅか漫画⑯
公開日:2023/4/15
幼なじみとの恋は誰もが憧れる気がする。
少女漫画の中でも特に幼なじみとの恋を描いた物語が私は大好きだ。
今回紹介するのは、餡蜜先生の『隣のステラ』(講談社)。
実は完全に表紙買いだった。
絵がかわいくてイケメンで、少女漫画オタクの私にはたまらないふたりがそこにはいた。
若手俳優・スバルこと柊木昴と、幼なじみの女子高校生・千明。
小さい時から昴に片思いし続けている千明の
諦めたくても諦められない、
芸能人になった彼との近くて遠い恋物語を描いている。
一番近い存在のはずが、テレビの中の昴を観ると気持ちが遠のいてしまう。
今まではなんでも知っていると思っていたのに、
どんどん知らない昴がいるもどかしさに
寂しく感じる千明に感情移入しながら読んでいた。
物語が進むにつれ、千明の気持ちになっている自分は
それはもう本当に胸が苦しかった!
近くにいて嬉しい気持ちといっそ離れてしまいたい自分とを繰り返している中、
遠くに行ってしまったと思ったら近寄ってくる昴。
この繰り返しでどうしようもない気持ちに振り回される。
青春ってきっとこういうことなのかもしれないと見ていた。
昴の言葉に揺れ動く気持ち。
嬉しさや、そんな言葉をくれるなら……とか、たくさん勘違いをしてしまう。
好きな男の子からの何気ない言葉が
自分にとっては最高のプレゼントで、今日その日が最高になる。
少しの勘違いで女の子は前へと進んでいく気がする
頭では諦めたいと思っている千明だが、
諦めるどころかどんどん進化している千明がすごくかわいい。
恋をするとかわいくなるってきっとこういうこと。
千明の視点でずっと読んでいたから、
昴はこの時にどういう気持ちなのだろうかと
読み進んでいてふと気になってしまった。
次は昴の気持ちになって読んでみると新しい発見がきっとあるはず。
様々な視点で読むことで想像を膨らませることができるから、
漫画って何回も読みたくなるとあらためて思った。
現在は3巻まで発売されている本作。
続きが気になるから早く4巻を読みたいけど
いや、これ以上進んだらまた胸が苦しくなる一方なのでは?
と、また勝手に胸を苦しませてしまった。
けどキュンキュンももちろんあるからやっぱり続きが読みたい。
ふたりの恋路がどう動いていくのか、
今後の展開が楽しみ。
幼なじみの恋に憧れをもっているあなた。
幼なじみに恋をしているあなた。
なんだか切なくてキュンキュンな気持ちになりたいあなた。
そんな人たちにピッタリの物語。
<第17回に続く>