パパには結婚相手がふたりいる――ひょっとして、と感じたサルマは「第一夫人はアミーラ?」と問いかける/女の子がいる場所は②
更新日:2023/4/27
『女の子がいる場所は』(やまじえびね/KADOKAWA)第2回【全7回】
第27回手塚治虫文化賞〈短編賞〉受賞! 「このマンガがすごい!2023」〈オンナ編第4位〉ほか、多数の新聞・雑誌で絶賛され、多くの共感を得ている短編集『女の子がいる場所は』をご紹介します。主人公は宗教も文化も違う国に暮らす10歳の少女たち。サウジアラビアの少女サルマは、女は結婚しないと暮らしに困ると母に聞かされ「わたしたちは結婚しないと生きていけないの?」と疑問を抱く。「本は男の持ち物」と老婆に言われ面食らうモロッコの少女。日本人のまりえは離婚後いきいきと働く母に幸せとは何かと問う。「女だから」と知らず知らずのうちに奪われているもの――描かれているのは10歳の少女たちが今いる世界。大人も子どもも、物語の少女たちと同じ目線になって読んでもらいたい作品です。今回は『女の子がいる場所は』に収録された短編「サウジアラビア サッカーボールを蹴飛ばす日」を全3回でお届けします。