JA全農広報部が監修! 日本各地の特産物を使ったカンタン&美味しいどんぶりレシピ50
公開日:2023/4/22
簡単なおかずでも喜ばれやすく、それでいて洗い物も減らせる丼もの。かつ丼や親子丼、天丼、海鮮丼、ローストビーフ丼など、人気メニューは挙げればキリがない。でも、自分で作ると何となく似通ったものになりがちでもある。『全国の農家さんがおすすめ! みんなのどんぶり食堂』(杏耶:著、JA全農広報部:監修/KADOKAWA)は、そんな丼もののレパートリーを増やすのにぴったりの一冊。
本書を手掛けているのは、「あやぶた食堂」シリーズや「ド丼パ!」シリーズを手掛けている人気イラストレーター・杏耶氏、そして農畜産物のプロともいえるJA全農広報部だ。全国各地の農家おすすめのレシピが50も集められており、巻頭には「世界一美味しいごはんの炊き方」「お米のあれこれQ&A」など、お米に関する知っておきたいことも掲載されていて、お米好きにはたまらない内容になっている。
野菜のプロがおすすめするレシピとあって、どれも魅力的。しかも使うのは見慣れた食材ばかりでシンプルなのに、「なぜ今までこれを組み合わせなかったのか?」と思わずにはいられない。また、各レシピが短いマンガ形式で紹介されており、読み物としても楽しめるのが嬉しいところだ。その中から、少ない食材でパパっと作れるものを2品、実際に作ってみた。
「海と大地の青菜シラス丼」(P.96~P.99)
1つめは、静岡県の「海と大地の青菜シラス丼」。レンチンした塩鮭をほぐし、大根菜は茹でて絞って細かく切っておく。ごはんにゴマを混ぜて丼に盛り、シラスと大根菜を炒めて塩で味を調えたもの、ほぐした鮭、卵そぼろをのせれば完成!
味つけは塩のみだが、大根菜のほろ苦さと、シラスと鮭の塩気とうまみ、卵のやさしくもコク深い味とふわっとした食感が見事な相乗効果を生んでいる。彩りも美しく、お弁当用のごはんやおにぎりとしてもアレンジできそうだ。大根菜が入手できない場合は、小松菜で作るのもアリ。
「四万十ポークで作る生姜焼きどんぶり」(P.164~P.167)
2つめは、高知県の「四万十ポークで作る生姜焼きどんぶり」。軽く塩をふった豚薄切り肉を醤油、酒、砂糖、すりおろした生姜を混ぜたものと一緒に炒め、素揚げしたナスとともに、丼に盛りつけたごはんの上にのせていく。あとは薄切りにして酢に漬けたミョウガをのせれば完成!
こってりとした味つけの豚肉が素揚げしたナスとよく絡み、口の中でとろけそうな食感に。がっつりめの味だが、ナスのみずみずしさとミョウガの爽やかさが程よいバランスに整えてくれる。主な食材は3つだけ、というのもありがたい。
作ったどちらのどんぶりレシピも、本当に15分程度で完成する簡単なもの。しかし組み合わせや味つけが絶妙で、手抜き感はまったく感じなかった。むしろ、タイトルどおり食堂を開けるのでは?と思えるくらいにおいしい。本書には、「カラフルvege豚丼」や「カレー風味のトマ丼」など、まだまだ気になるレシピがたくさんある。筆者もこれらのどんぶりメニューをマスターして、自然の恵みを楽しみながら味わい尽くしたい。
調理、文=月乃雫