シェイクスピア『夏の夜の夢』あらすじ紹介。駆け落ちしたはずの彼が親友に恋をした!? 妖精夫婦の痴話喧嘩が巻き起こすラブコメ
公開日:2023/4/28
イギリスを代表する劇作家のウィリアム・シェイクスピア。シェイクスピアは、『ハムレット』『ロミオとジュリエット』『ヴェニスの商人』など、誰もが一度は耳にしたことのある作品を残しました。この記事では、そんなシェイクスピアが執筆した喜劇『夏の夜の夢』をご紹介します。
『夏の夜の夢』の作品解説
『夏の夜の夢』はシェイクスピアが執筆した喜劇です。1594年から1596年の間に書かれた作品であると考えられており、初演は1598年以前とされています。本作は今日に至るまで400年以上にわたり、上演され続けており、今なお多くの人々から愛されている作品です。
『夏の夜の夢』の主な登場人物
ハーミア:ライサンダーの恋人。
ライサンダー:ハーミアの恋人。
ディミートリアス:ハーミアに恋をしている。
ヘレナ:ハーミアの友人。ディミートリアスに片思いをしている。
パック:いたずらものの妖精。
オーベロン:妖精の王。
タイターニア:妖精の王妃。
『夏の夜の夢』のあらすじ
舞台は大昔のアテネ。ハーミアは恋仲にあるライサンダーという青年と駆け落ちをして、アテネ近郊の森に足を踏み入れる。ハーミアは、その計画を親友のヘレナにだけ打ち明けるが、ディミートリアスに片思いをするヘレナは、その話をディミートリアスに漏らしてしまう。ハーミアに想いを寄せるディミートリアスはふたりの駆け落ちを阻止するために森に入り、ヘレナもディミートリアスの後を追いかけていく。
その頃、妖精の王であるオーベロンは、王妃のタイターニアと喧嘩をしていて、タイターニアのまぶたに媚薬を塗る。この媚薬は、目覚めて最初に見た人を好きになってしまうという惚れ薬。そして、妖精のパックがライサンダーたちにも、この惚れ薬を塗ってしまったことから、ライサンダーとディミートリアスがヘレナに恋をしてしまい、4人の男女の関係があべこべに。また、パックは森に入り込んだ職人の頭をロバに変えてしまい、目を覚ましたタイターニアは、このロバ頭の男を見るなり、恋に落ちてしまう。
その後、恋をする者たちのドタバタ喜劇が繰り広げられるが、最終的にオーベロンは妻のタイターニアの魔法を解き、仲直りをする。また、オーベロンの取り計らいにより、ハーミアとライサンダーは恋仲に戻り、ディミートリアスとヘレナも愛し合うようになり、幸せな結末を迎えるのだった。
<第68回に続く>