「年金だけでは生きていけない」お金がない。仕事もない。60歳のどん底で始めたYouTubeで生き方がかわった
更新日:2023/5/1
仕事のストレスから解放されて、のんびり暮らしたい。それほど贅沢はできないだろうけれど、たまには旅行でもできるといいな……。
そんな老後を思い描いているなら、念のため、年金受給額を確認してみたほうがいい。これまでの働き方や暮らし方によっては、年金で「満たされた老後」なんてとても無理! ということもあるから。
『61歳、ひとり暮らし一年生。お金はないけど、「好き」を重ねて楽しむ暮らし』(yama/KADOKAWA)の著者であるyamaさんも、年金受給額を知って愕然としたひとりだ。
61歳で気づいた「年金だけでは生きていけない」現実
yamaさんの老後のビジョンにかげりが見えはじめたのは、57歳で整理解雇されたとき。ストレスから体調をくずして仕事に就くのが難しくなり、収入が途絶えてしまう。
ローンが残っていた自宅を売却し、老後の生活設計のために年金受給額を確認したのが60歳のとき。その結果は、「これだけ?」。「老後」が始まる直前になって初めて、年金では暮らしていけないことに気づくのだ。
「今」を大切にする生き方にシフト
将来への不安に押しつぶされそうになったとき、yamaさんが始めたのがYouTube。「もう、これから私、どうしよう?」。そんな気持ちを吐き出すための手段だったが、3本めの動画がバズり、収益化に成功。今では視聴者数約2.5万人の人気チャンネルになっている。
動画づくりを楽しみ、視聴者と交流する中でyamaさんがたどり着いたのが、将来の不安に苦しむより、今を大切にする生き方。「どんなに心配しても、年金の受給額は増えないんだ!」と気づいたことも、考え方を切り替えるきっかけになった。
アウトプットすることで可能性が広がる
yamaさんが勧めるのが、自分の「好き」をアウトプットすることだ。好きなことも得意なことも、インプットだけで完結してしまうのはもったいない。アウトプットしてみることで可能性が生まれ、自分の世界が広がっていく……。
60歳でデビューしたユーチューバーの言葉には、体験に裏打ちされた説得力がある。年金でのんびり暮らせないからといって、老後を悲観する必要なんてないのかも。「好き」を仕事にかえていくチャレンジを続ける老後も、なんだか楽しそうだから。
文=野口久美子