かわいがってたつもりだった… 保育士の歪んだ愛を描いた話題作!『新卒保育士VS歪んだ愛の先生』【今月のバズったマンガ】
更新日:2023/6/20
今どき面白いマンガはSNSにあり! ということで、本連載ではSNSで話題になった面白いマンガをピックアップし紹介していきます。
提供:Minto編集部
最初にご紹介するのは、さいおなおさんの、実際に保育士として働いていたときの経験をもとに描かれたエッセイマンガ『新卒保育士VS歪んだ愛の先生』。リアルな保育の現場を描いた衝撃作…!
保育士1年目のさいお先生が、2年目のユガミ先輩と2歳児クラスを担当した1年間を描いた作品です。先輩保育士のかわいがっている「つもり」の子どもへの接し方をみて、どうにかしようと奮闘する新米のさいお先生目線で描かれる保育の現場。
「こういうことが実際にあると思うとゾッとする」「実際にこういう経験がある」「許せない」「他人事じゃない」などのコメントが相次ぐマンガを実際にみていきましょう。
大人にはいい人なのに… 子どもへの歪んだ愛を持つ先輩保育士を目の前にして
保育士1年目のさいお先生が一緒に2歳児クラスを担当するのは、2年目の先輩・ユガミ先生。ユガミ先生は、お気に入りの園児・Aちゃんに対して、わざと突き放して泣かせる。そのあとに優しくあやしてAちゃんから先生への愛を確かめるような、歪んだ愛情表現をする先生だった。これはじゃれあい・冗談だからと言いながら…
ユガミ先生は大人に対しては優しくまともな人なこともあり、一瞬これが普通かと思ってしまうも、明らかに子どものためにならない接し方に疑問がわくさいお先生。
他人事ではない…!? リアルに描かれるある保育園内での日常
まわりの先生もユガミ先生の問題点には気付いていて、先輩保育士としてカバーしてくれたり話を聞いてくれたりはするものの、なかなか状況が変わらず。
園長先生も改善を図ろうとテコ入れするも、先輩は自分の愛が歪んでいる自覚がなく…
Aちゃんとは信頼関係ができている、愛情だってわかってくれているという理論を振りかざし、変わる気配のないユガミ先生。そんな姿を見かねたさいお先生も、ついに動き出すことにします。
絶対の正解がない「保育」という分野だからこそ、独自の理論が生まれてしまったり、やってはいけない線を越えてしまったりすることがあるのかもしれない。昨年末に発覚した静岡での保育士による園児虐待事件は記憶に新しいですが、その後も全国で同じような事件の告発が相次ぎました。
虐待まではいかなくとも、「子どもが可愛くてついついからかってしまう」というのは聞いたことある話ではないでしょうか。子どものためになる子どもとの接し方って、保育ってなんだろう? 子育てや保育のあり方について改めて考えるきっかけになるマンガです。
文=Minto編集部 藤井彩生
さいおなお
保育園勤務を経てベビーシッターに転職した人。気の向くままにマンガも描いている。著書に『3時間だけママを代わります! 駆け出しベビーシッターの奮闘記』(オーバーラップ)がある。
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