食材、家事、レジャー、花…意外と知らない旬のこと。「季節感」を取り入れた生活で毎日をもっと楽しく豊かに!
公開日:2023/5/2
旬の食材を取り入れた食事をしようと思いつつ、「これの旬っていつだっけ?」「今は何が旬だっけ?」と分からなくなってしまいがち。でも本当は、スーパーで野菜や魚を見ながら、「今は○○が旬だから、今日のごはんはあれにしよう!」と、旬の食材から献立を考えられるようになりたい……。『旬のカレンダー』(旬の暮らしをたのしむ会/ダイヤモンド社)は、そうした知っておきたい旬のものを、視覚的に分かりやすいイラスト付きでまとめてくれている本。
例えばこれからの季節であれば、「スナップエンドウ」や「新ごぼう」「新玉ねぎ」、6月になれば「アスパラガス」や「スイートコーン」「ズッキーニ」などが旬を迎えるという。ズッキーニは夏野菜としてのイメージが強く、何となく7~8月ごろが旬だと思っていたが、最も多く出回るのは6月らしい。旬の食材と併せて、各食材が持つ栄養や特徴、調理のコツも掲載されている。
また、本書の嬉しいポイントは、野菜や果物、魚などだけでなく、各月にふさわしい「旬の味」「旬の菓子」「旬の花」「季節のレジャー」「季節の家しごと」「季節の行事」も紹介されていることだ。旬の食材を使った料理や花、大きな行事は分かるが、お菓子や家しごとにもこんなに季節のものがあったのかと驚いた。せいぜい衣替えと年末の大掃除くらいかと思っていたのに……。
しかしよく考えてみると、「もうすぐ冷房を使う季節だからエアコンを掃除しなきゃ」「夏のうちに乾きにくいものを洗濯してしまおう!」と案外季節を気にして動くことは多い。本書によると、5月の家しごとは「下駄箱掃除」と「梅雨じたく」、6月の家しごとは「梅しごと」と「エアコン掃除」「夏服・夏物家電を出す」だそう。梅雨の湿気でカビが生えないよう、今のうちにしっかり手入れして備えておくのがよい。特に下駄箱は湿度が上がると臭いがしそうなので、私も早急に着手したい。
お菓子も、5月は端午の節句に食べたい「ちまき」や「柏餅」、そのほか「ナポレオンパイ」「チョココロネ」「フレジェ」が、6月は「水無月」「焼き鮎」「さくらんぼのクラフティ」「ロールケーキ」が挙がっていた。ナポレオンパイとフレジェはなぜ5月?と思ったが、いちごを使ったスイーツの食べ納めの時期ということらしい。ちなみにチョココロネは、5月6日の「コロネの日」にちなんだもの、ロールケーキは巻かれた様子が「6」に見えるから、とのことだ。
季節のものというと少しかしこまったイメージがつきまといがちだが、上記で挙げたお菓子のように、「○○の日」や「形」など、ちょっとしたことから着想を得て取り入れるのも面白い。令和になってから四季が崩壊しつつあるとSNSなどで度々話題になるが、こうしてひとつひとつ見ていくと、思っていた以上に季節を感じられるものはたくさんある。
忙しい毎日を送っていると、同じことの繰り返しで生活が単調になりがちだが、こうした旬のもの、季節のものを取り入れるだけでも変化が生まれる。もちろん本書では、5月、6月を含めたすべての月について詳しく触れられている。旬に詳しくなりたい人はもちろん、日々に彩りやメリハリがほしい人、季節の移り変わりを楽しみたい人にもぴったりの一冊だ。私もこの「旬のカレンダー」で楽しみを見つけて、まずはこれからの暑い季節を乗り切りたい。
文=月乃雫