MEGUMI 30代、仕事の暗黒期に出会った1冊。自分の中の答えが肯定され、新幹線で号泣【私の愛読書】
更新日:2023/5/15
さまざまなジャンルで活躍する著名人たちに、お気に入りの一冊をご紹介いただく連載「私の愛読書」。今回ご登場いただくのは、俳優としてジャンルレスな作品に出演しながら、金沢のカフェ経営や、ドラマのプロデュースを手がけるMEGUMIさん。
この春には初の美容本『キレイはこれでつくれます』(ダイヤモンド社)を上梓し、20代のグラビア時期に肌を酷使して、見た目に対する容赦ないコメントに傷ついていたことを告白。美容によって行動が変わり、人生が変わったことを本の中で伝えている。
叶えたい願望にまっすぐで、自分の意志に責任を持つ、自立した大人の女性であるMEGUMIさんに、憧れる人は多いはず。そんなMEGUMIさんの愛読書とは? 30代の落ち込んでいた頃に読み、感動の涙を流したという一冊を紹介してもらった。
(取材・文=吉田あき 撮影:217..NINA)
自分の中の絶対的な答えが肯定された
——MEGUMIさんの愛読書を教えてください。
MEGUMIさん(以下、MEGUMI):林真理子先生の『野心のすすめ』(講談社)です。もう感動しちゃって。昔から自分は「こうなりたい」「あれをやってみたい」ってはっきり言うタイプでしたけど、まあ周りのリアクションは冷ややかなわけですよ。仕事の調子がいい時は聞いてくれますけど、売れなくなった瞬間から誰も聞いてくれなくなる。「いいじゃん」って言いながら表情は全然良くないとかね。でもこっちは、願望を叶えたくてしょうがないんですよ。
これはどうしたものかと思った時に、この本を読んで。林先生がすごい作家さんだとは当然存じ上げていましたが、ここまで泥水を飲んで、ダサいこともなさりながら、やりたい! って球を投げ続けていたことを知って、涙を流すしかありませんでした。
——「野心」を口にすることで無理と言われた願望を次々と叶えてきた、という実話が書かれていますね。
MEGUMI:野心を出すことって、恥ずかしいじゃないですか。日本人で、しかも女性は特に。だけど「野心を伝えていきましょう」と林先生は語られていて。それを読んだ時に、「これで合ってるんだ」って、自分の中の絶対的な答えが肯定された感覚があったんです。勇気が出たし、大きく背中を押していただいて、今でも元気がない時に読み返したり、いつも見える場所に置いたりしています。
——経営やプロデュース業で、以前よりも「野心」を周りに伝える機会が多いのでは? できなかったらどうしよう…と感じることもありますか?
MEGUMI:もちろん! あります。やりますって言ったけどできるかなとか、お金集めますって宣言したけど集まるかなとか、常に不安な気持ちはつきまといます。特にお金を集める時なんて、朝起きた瞬間に「あーどうしよう」って押しつぶされそうになることがけっこうありますね。でも「言ったからにはやらないと」っていうのが原動力になって、だいたい実現するので、まずは周りに伝えて自分を追い込むのも悪いことじゃないなって、今は思ってます。
——ちなみに、この本との出会いはいつ頃?
MEGUMI:ちょうど30代のモヤモヤしていた頃です。芝居の仕事もろくにないし、顔はグラビアで日焼けばっかりして劣化していたし、これから私、お母さんで終わっちゃうのかなって不安になっている時、自己啓発の本を読みあさっていたんですよね。家庭はしあわせだけど、仕事は暗黒期で。
そんな時、品川駅で新幹線に乗る前に、「(移動で)2時間あるから何か読もうかな」と書店で本を探していたら、この本を見つけて。林先生だ、タイトルもすごいな、と読んだら、新幹線の中で号泣しました。じつは品川駅で新幹線に乗る時に買った本が、その後の人生を変えることがけっこうありまして。
——普段はどんなふうに本を選ぶことが多いですか?
MEGUMI:口コミが多いですね。作家の友だちもいるので。あとは、メンタルや美容、健康などを科学的に証明してくれるものが好き。人間の可能性みたいなものを書いている本に惹かれますね。
——ご多忙だと思いますが、本を読むのはもっぱら旅の途中でしょうか。
MEGUMI:寝る前の5分や10分にも。次の日に内容を覚えているかどうかわからないけど、その静かな時間がすごく好きで。でもやっぱり、家では何かしら予定が入っているので、移動時間に読むことが多いですね。Zoomの打ち合わせもできないし、ポカンと空いた時間がすごく豊かな感じがして。移動中の読書はすごく充実しています。
<第19回に続く>