ついに十番目の勝負が幕を開ける――! 佐伯泰英の人気時代小説「空也十番勝負」シリーズが堂々の完結へ
更新日:2023/5/9
2023年5月9日(火)、作家の佐伯泰英氏による小説『奔れ、空也 空也十番勝負(十)』(文藝春秋)が発売。本作をもって、2017年から続いた時代小説シリーズ「空也十番勝負」が遂に完結となる。
物語の主人公は、剣術修行の日々を過ごす16歳の少年・坂崎空也。江戸で「直心影流尚武館道場」を運営する父を持つ彼は、薩摩を目指して武者修行の旅に出る。しかし薩摩は他国者を受け入れない国だったため、空也は薩摩の国境を守る外城衆徒(とじょうしゅうと)との戦いを余儀なくされるのだった――。
「空也十番勝負」は、シリーズ累計2000万部を突破した「居眠り磐音 江戸双紙」シリーズ(文藝春秋)の続編となる作品。2019年5月には俳優・松坂桃李主演の実写映画が公開されており、松坂が演じた主人公・坂崎磐音の嫡子が「空也十番勝負」の主人公・空也にあたる。
2017年に第1作目となる『空也十番勝負 青春篇 声なき蟬』(双葉社)が刊行された際には、往年のファンからも「あのやんちゃな男の子がこんなに大きくなって…。感慨深い」「さすがは磐音の子どもといった感じ。十番勝負が終わった後にどのような嬉しい決着が見られるのか、今から楽しみで仕方ない」「空也がどんどん磐音に似てくるので、今後がますます期待できる」などと期待の声が寄せられていた。
そんな磐音から始まった長きにわたる物語も『奔れ、空也 空也十番勝負(十)』をもっていよいよ完結へ。気になる最終刊では、薩摩が送ってきた最後の刺客に立ち向かう空也が描かれるという。
彼は道すがら、飯屋で出会った老舗袋物問屋のご隠居一行に同道し、柳生新陰流創始の地「大和国」へと立ち寄る。そこで紹介を受けた柳生新陰流正木坂道場の稽古に加わるのだが、稽古の相手はなんと新陰流師範の柳生武太夫だった。柳生藩藩主・柳生俊則も見守るなか、はたして空也は柳生の剣を上回ることができるのか。
さらには密かに空也の動向を探り、かねてより彼との真剣勝負を望んできた佐伯彦次郎がとうとう姿を現す。徳川の将軍から寵愛を受ける空也に対し、佐伯は徳川に仇なす妖刀「村正」で勝負を仕掛けてくるのだが……。こちらも激闘が展開されていきそうだ。
そしてシリーズを通して描かれてきた空也の十番勝負、その十番目にあたる勝負の行方は――。これまで京都や長崎、果ては香港にまで及んだ空也の武者修行は最後にどのような結末を迎えるのかをぜひ見届けてほしい。
また2023年6月からは、佐伯氏による書き下ろし新シリーズ「柳橋の桜」連続刊行が始まる予定なので、こちらも合わせてチェックしておこう。