自分に合っている? 超シンプルマーキング術と相性がいい? テキストの選び方指南/超シンプルマーキング術

暮らし

公開日:2023/5/18

文房具は「後から消せる」ものを

●書き込み直し・線の引き直しを前提に選ぶ

「超シンプルマーキング術」では、テキストに書き込んだり、紙に図を描いたりする作業が多くなります。そのとき使う筆記用具は、後から消せるものにすることが大事です。

 何かを勉強し始めたばかりのとき、テキストを見ながら重要ポイントをマーカーで強調しようとして、気がつくと「ほとんど全部の行に引いてしまっていた!」という経験はありませんか? インプット初期においては、何が重要か、重要でないかがよく分からないため、しばしばこういうことが起こります。

 しかし、慣れるに従って理解も深くなり、頭の中でポイントが整理されてきます。その段階になって、これまで何度か開いたページを見たときに、「なぜ、こんなところに線を引いたんだ⁉」となることもよくあります。そのラインがもし、消せない筆記用具で書かれていたら……過去の自分に文句を言いたくなりますね。そういうわけで、書き込みには鉛筆や、消せるボールペン、消せるマーカーなどを使った方が良いのです。

 後ほど詳しく述べますが、「超シンプルマーキング術」では、書き込みをやり直す機会がしばしばあります。まずは鉛筆で、次に書き直す際は消せるボールペンで、などと、やり直すたびにツールや色を変えていくのもおすすめです。前の書き込みを消しても、自分がどこまで理解を深めているか、見て確認できます。

 とはいえ、終盤でも「消せる」ことが大事です。理解は日々たゆみなく進歩し、更新できるのですから。

●消す作業が面倒なときは、ふせんも便利

「消す前提」のメリットはもう一つあります。思い切りよく書ける、ということです。

 書き込みやメモの目的は、「理解するため」です。ところが、「きれいに書かなくては」ということが目的化してしまうと、そちらに気を取られて肝心の知識が入らないことがあるのです。

 消せる筆記用具ならばその心配もなく、思いつくままに書き込めます。結果、思考力が活性化します。まだ知識が入りきっていない序盤ほど、この自由さが大切です。

「消したり書き直したりするなんて、面倒では?」と思われる方もいるかもしれませんね。しかし、手を動かして書く作業には、それだけの価値があります。ラインを引きながら読み、目と手を同時に動かすことで頭に入りやすくなるのです。

「だとしても、書くのはともかく、消すのが面倒!」と思う方も、きっといるでしょう。そんな方には、ふせんがおすすめです。小さいサイズのふせんを用意し、大事な行や語句のそばに貼るという方法です。先端をはみ出させて使うだけではなく、ページの上に貼ればマーカー代わりになりますし、メモも書き込めます。剥がして捨てるだけなので、リセットも簡単です。

 ふせんといえば──先日街中で「ポイント」「確認」などの文字とイラストの入った半透明ふせんを見つけました。うまく使って勉強すると、文字を書く手間も省け、かわいいイラストで気分も上がり、勉強をより楽しめるのではないかと思います。

●すでにカラフルなテキストには鉛筆で

 マーカーやふせんの色分けには、私自身はさほどこだわりませんでした。「ここは青、ここは緑」というふうに、規則性を設けてラインや印をつける方もいますが、「超シンプルマーキング術」では、その作業は「マスト」ではありません。色分けした方が頭に入りやすい人は色分けするもよし、シンプルにやりたい人は1色だけで書くもよし。好みに合わせて、自由に選んでください。

 テキストとマーカーの色の相性についても、気になる人と気にならない人がいるようです。昨今のテキストはカラフルなものが多く、そこにさらにマーカーの色を増やすと「目が疲れる」という人も。私はまったく気にならないタイプだったのですが、もし気になるならばマーカーは使わず、鉛筆や、消せるボールペンで書きましょう。

●スケジュール帳は必ず鉛筆で書く

 何度でも書き直せる方が良いのは、スケジュールに関しても同様です。なぜなら、予定はたいてい狂うものだからです。そんなときに勉強計画をどんどん書き換えられるよう、私は必ず鉛筆で記入していました。

 予定通りに進まなくても、自分を責めないことが肝要です。「今日もまた後ろ倒ししてしまった」「今週中に、ここまで進むはずだったのに!」などといったことは、一切考えなくてOKです。仕事をしながら勉強しているのだから当たり前だ、と柔軟に構えましょう。勉強のスケジュールは仕事のスケジュールと違い、予定を変更したところで人に迷惑をかけるわけではないのですから。

「でもそれでは、試験日に間に合わないのでは?」と考えた皆さん、ご心配なく。この勉強法では、最初にスケジュールを組む際、試験直前の1~2カ月を「復習期間」として取り置きます。もちろんその期間もやることはありますが、「バッファ」としての役割も大。ですから、少々遅れても焦る必要はありません。

 次ページからは、そのスケジューリング方法についてお話ししましょう。

<第5回に続く>

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