ベートーヴェンのあの名曲は、14歳の少女のために作られた!? 10日に1曲、ワーカホリックなモーツァルトなど『名曲の裏側』が暴かれる!
公開日:2023/5/16
クラシック音楽といえば、高尚で優美なイメージがある。そのため、どうしても堅苦しいイメージに捉えられがちだ。しかし2023年5月11日発売の『名曲の裏側 クラシック音楽家のヤバすぎる人生』(渋谷ゆう子/ポプラ社)を読めば、そのイメージが180度変わるかもしれない。同時に偉大な音楽家たちがのこした名曲の数々を、より味わい深く堪能できるだろう。
同作に綴られているのは、歴代音楽家たちの偉大な功績…ではなく、彼らの人生や人となり。しかもかなりゴシップ満載で、恋愛騒動や不倫沙汰、人でなしエピソードといった、人間らしい意外な一面ばかりが集められている。
目次からすでに興味深いタイトルがずらりと並んでおり、その一例を挙げると「名曲はフラれ続けたからこそ生まれた? 生涯独身、恋愛不遇のベートーヴェン」「才能は愛人によって引き出されるもの!? コミュ障×病弱なピアノの詩人ショパン」「客席では失神する女性が続出? クラシック史上、一番のモテ男リスト」などなど…。まさにタイトル通り、クラシック音楽家の“ヤバすぎる人生”にスポットを当てた一冊だ。
たとえば「運命」を生み出したルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェンは、作曲家としての偉業とともに、数々の恋愛遍歴でも有名。彼は恋に落ちると決まって手紙や曲を贈りまくり、友人にも「めちゃくちゃ可愛い子がいるんだがww」といった内容の手紙を送りつけて有頂天になる。そして最後はいつもフラれてしまうのだという。
かの有名な「エリーゼのために」も、実は当時片想いしていた女性に贈った楽曲。『名探偵コナン』の名エピソードでお馴染みの「月光ソナタ」に至っては、自分のところにピアノを習いに来ていた美しい14歳の少女・ジュリエッタのために作った楽曲だったそうだ。教科書などで見る厳かなイメージからは想像もつかない人物像だが、そんなベートーヴェンが “猪突猛進自爆型”と文中で紹介されているのもまた面白い。
SNS上では早くも同作の反響が上がっており、「とても読みやすくわかりやすく楽しい。クラシック初心者の私にぴったりな一冊」「肖像画では厳しい顔をしているベートーヴェンが恋多きお方だったとは…。意外すぎる!」「音楽家の人となりから名曲を読むという本はたくさんあるけど、その中でも『名曲の裏側』はエピソードが秀逸。特にモーツァルトの話には笑った」などと絶賛の声が見受けられた。
ちなみに著者の渋谷ゆう子氏は、音楽プロデューサーにして「株式会社ノモス」の代表取締役。クラシック音楽をもっと身近に感じてもらいたいという思いから今回の執筆に至ったようで、ページの至るところにはその音楽を実際に聴くことができるQRコードまで用意されている。確かにベートーヴェンの恋愛遍歴を知ったうえで聞く名曲の数々は、今までと全く異なる印象を受けるに違いない。
また、同書の合間にはクラシックコンサートに行く際の服装や会場でのマナー、耳が聞こえないベートーヴェンが作曲できたワケなど、知っておいて損はないお役立ちコラムも掲載。話のネタになるエピソードや豆知識が得られるので、まずは気になるトピックを目次から選んでみてはいかがだろうか。
歴史に名を残した人物と聞くと、厳かで自分とはかけ離れた立派な人というイメージを持ちがち。だが同書で紹介されている音楽家は人間味に溢れており、自ずと親近感が湧いてくる。クラシック音楽に少しでも興味がある人は、入門書としてぜひ同作を手に取ってみてほしい。
〈目次一覧〉
1 名曲はフラれ続けたからこそ生まれた!? 生涯独身、恋愛不遇のベートーヴェン
2 10日で1曲! ワーカホリック! 悪戯好きの変人、モーツァルト
3 最もビジネスセンスに秀でた音楽家 美食と経営、生き方に閃きのあるロッシーニ
4 甘く切ない旋律で新しい音楽世界を作った 女性たちを翻弄したドビュッシーの狂気と魅力
5 あの有名な「愛の楽章」はこうして生まれた 交響曲の大家マーラー、愛と苦しみ
6 才能は愛人によって引き出されるもの!? コミュ障×病弱なピアノの詩人ショパン
7 良好な男女関係を築く方法は? シューマン、妻クララの強固な関係
8 客席で失神する女性が続出? クラシック史上、一番のモテ男リスト
9「白鳥の湖」は大富豪未亡人のおかげ? 推し活に支えられたチャイコフスキー
10 ワルツがまるで違った曲に聴こえる?「美しき青きドナウ」シュトラウス2世のねじれた家族愛
11 国家予算をも動かした? 超俺様気質のワーグナーが生み出す壮大な世界
ほか
お役立ちコラム
1 コンサートに何を着ていけばいいか迷ったら
2 クラシックとの出会いはAIにまかせよう
3 調性でわかるあなたの性格
4 権力と戦争を音楽で読み解く
5 クラシック初心者じゃないのにこの本を手に取ってくれた皆さんへ
6 番号に記号、楽曲タイトルの意味不明問題につきまして
7 むしろ静かに寝ていてほしい、コンサート会場でのマナー
8 日本史から俯瞰するクラシック音楽
9 なぜベートーヴェンは耳が聞こえなくても作曲できたのか
10 指揮者とオーケストラの優雅な関係
11 演奏の良し悪しと聴き分ける力とは
12 生演奏を聴きに行くには
13 絶対音感あるかないかを音楽家にいちいち尋ねないほうがいいという話
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