クレオパトラも「香り」を外交に活用していた!? 香りのプロが紹介する、アロマと香りで人生を豊かにする方法
公開日:2023/5/15
昨今のコロナ禍でおうち時間が増えたことで、日々の生活にアロマを取り入れ始めている人が増えているようだ。かくいう私もその一人だが、自己流で始めたものだから、イマイチ正解が分からない。アロマ・ディフューザーやルームスプレー、お香。いろんなアイテムの中からどれを選ぶのがベストなのか分からないし、自分に合う香りも分からない。そんな悩みを抱えている人は意外と多いのではないだろうか。
そんな人におすすめしたいのが、『暮らしの図鑑 香りの作法 基礎知識×覚えておきたいアロマ40×楽しむ工夫』(齋藤智子/翔泳社)。香りのプロ「アロマ調香デザイナー(R)」として様々な香りを生み出してきた齋藤智子さんが、その基本を分かりやすく教えてくれる1冊だ。おしゃれな写真やイラストがちりばめられているから、ページをめくるだけで気分が上がる。香りの世界をすでに満喫している人も、これから始めようとしている人も、自分に合った香りの使い方を見つけることができるだろう。
この本では、そもそも香料、精油とは何かという基本的な内容から、私たちが香りを感じる仕組みやその歴史まで、幅広く「香り」について解説してくれる。「五感の中で、嗅覚からの情報は最も伝達が早く、0.2秒以下で脳に伝わる」「古代エジプトの女王クレオパトラは、香りを外交に役立てていた」なんていう知識は面白いし、嗅ぐだけで自律神経を整える効果のある香りというものの奥深さを感じさせられる。また、「精油とアロマオイルの違い」など、初心者が混乱しがちな部分についても詳しく解説しているのは嬉しい。
さらには、「覚えておきたいアロマ40」と題して、おすすめの精油40種類も紹介。イラストと言葉で、それぞれの精油が持つ作用を教えてくれる。たとえば、フローラル系の代表的な精油「ゼラニウム」は、ローズに似たグリーン調の香り。心身と肌のバランスを整えてくれる役割があるそうで、不安な気持ちをサポートしてくれたり、痛みをやわらげてくれたりするのだそうだ。また、巻末では「リラックスしたい」時は、ラベンダー、オレンジ・スイート、ベルガモット、「集中力アップ、活力アップ」の時は、レモン、ペパーミント、ユーカリ……というように、目的や季節に合わせたおすすめの精油も提案してくれているから、すぐに自分に相応しい香りが分かりそうだ。
そして、日常での香りの使い方についても教えてくれるから、どうやって日々の生活に香りを取り入れていけばいいのかイメージしやすい。玄関やリビング、寝室など、場所別におすすめの香りとその活用法を紹介しているほか、「香りの時間割」として、1日の香りの使用例も示してくれている。たとえば、起床時には、柑橘系の香りをディフューザーで香らせて心地よい目覚めを促し、掃除タイムにはレモンやペパーミントの香りを使って抗菌&空気清浄。夕方は、マンダリン、ジャスミン、サンダルウッドなどのオリエンタルな香りをほんのり漂わせて、バスタイムではローズやゼラニウムなどの花の香りで半身浴。就寝時には、カモミールティーを飲んで、ゆっくりと自律神経をオフ。……「なるほど、こうやって使えばいいのか!」と納得。また、香りのプロである齋藤さんはおすすめの香りアイテムを具体的な商品を挙げて紹介してくれるから、とても参考になる。
「こんなにも香りを活用できる場面があったのか」「こうやって活用すればいいのか」とこの本にはたくさんの発見がある。「もっと香りを日常に活かしたい」という人は必読。ぜひこの本で、もっと香りを自分らしく使ってみよう!
文=アサトーミナミ