糸と針で紡ぎ出していくサーカスの世界、『たいくつなにちようび』は遊び心いっぱい<ブランニュープラチナブック>

文芸・カルチャー

公開日:2023/6/2

作者MICAOさんお手製の生き生きとした刺繍が魅力!

たいくつなにちようび

作・絵:MICAO

みどころ

楽しみにしていたおでかけが突然なくなってしまうことは、子どもにとって、きっととてもつらいこと。
大人はその理由を理解できるから、我慢もできますが、子どもはなかなか難しい。

我が家でも、私と夫が仕事で息子の相手ができないとき、「ちょっとひとりで遊んでてくれる?」とお願いすることがあります。
そんなとき、いつもではないのですが、息子は「ひとりで遊ぶの、つまんない」と不満そうに言います。
ふてくされる気持ち、よくわかります……。
でも、そんな気持ちを吹き飛ばしてくれるのが、ステッチさん。

ステッチさんは、針と糸でなんでも生み出すことができます。
まるで魔法使いです。
チクチク チクチク
刺繍で大きなテントを描いたら、サーカスのはじまりです。

ステッチさんは、ジャグリングが得意なピエロ、火の輪くぐりのライオンなど、次から次へとショーをチクチクと出現させていきます。

つまらないからと、いつまでもふてくされていたら、本当につまらない退屈な時間になってしまいそうです。
でも、ほかに素敵なことを見つけることができたら、きっととても楽しい時間に早変わりするはず。
そんな風に気持ちを切り替えられたらいいな、切り替えるお手伝いをしてあげられたらいいなと思える絵本です。

作者のMICAOさんお手製の刺繍は、ほとんどのページに登場します。
様々な物や動物が、刺繍で生き生きと表現されていて、絵のみで描かれた絵本とは一味違った魅力があります。
ぜひ手に取ってページをめくってみてくださいね。

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レビューのご紹介

刺繍を楽しむ絵本

「おだんごころころ」を読んで、MICAOさんの世界にはまりました。
刺繍作家という肩書きも素晴らしく、この絵本を読んだら、刺繍の世界への誘いのようなので、またまた感じ入ってしまいました。
糸と針で紡ぎ出していくサーカスの世界は、遊び心いっぱいです。
どんどん刺繍を加えていくことで話が展開していきます。
サーカスが終わって、糸を解いていくシーンもなんだかウットリしてしまいました。

(ヒラP21さん)

また会いたい!

「つまんないね」とつぶやいたぼくの前に現れたのは、ステッチさん。
何やら楽しいことを始めてくれるみたい。
何だろう?と思って読み始めると…。
ワクワクドキドキとっても素敵な世界が広がります。

刺繍とイラストのコラボがほんとうに素敵!
とっても綺麗で楽しさが倍増です。
ストーリーも楽しくてワクワクします。
最後がまたいいんです!

ステッチさんへ。
次はどんな世界を作って楽しませてくれるのかな?
呟いたら来てくれるかな。
「つまんないね」
あっ、でもこんな素敵な絵本を読んだら、つまんなくなくなるから、今度ステッチさんに会えるのはいつだろう(笑)
また、誰かのところに行って楽しませてくれた話を、聞かせてくれるのを楽しみにしているね。ステッチさん!

(あさみーこさん)

たいくつなにちようび

作・絵:MICAO

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