高橋文哉と桜田ひよりで実写映画化! ウソからはじまった交換日記は、ほんとうの恋に着地するのか? 切なさ特盛り胸きゅんラブストーリー
公開日:2023/6/19
学校一のモテ男子から送られた手紙には、ただ一言「好きだ」と記されていた。
これはわたし宛てのラブレター? それとも単なるいたずら……? 困惑しつつも返事を書いてしまったことから、彼と“わたし”の秘密の交換日記がはじまる――。
ケータイ小説投稿サイト「野いちご」で配信され、その後文庫化、シリーズ化、コミカライズ化。そして今夏、実写映画が公開される奇跡のメガヒット作『交換ウソ日記』(櫻いいよ/スターツ出版)。
内気な女子高生・希美は、移動教室でいつも使用している机の中に、宛名のないラブレターがしのばされているのを見つける。差出人は瀬戸山くん。勉強もスポーツもできるイケメンで、一度も話したことのない男子生徒だ。彼から好かれる心当たりなどまったくないが、念のためにと返事を書いて瀬戸山くんの下駄箱に入れておく。すると再び返事が来て……。
男女交際に苦手意識を持つ希美に、自分のことを知ってほしい、とぐいぐい迫ってくる(ただし手紙で!)瀬戸山くん。やむなく折衷案として、交換日記限定でやりとりをすることになるのだが、そこで驚愕の事実が判明。彼が想いを寄せているのは自分ではなく、親友の江里乃だった。
自分の意見を口にして他人と対立することをなによりも恐れる希美は、よくいえば平和主義、悪くいえば八方美人な性格だ。友だちといるときでも、つい相手の顔色をうかがい、無難な態度をとる癖が身に染みついている。瀬戸山くんに対しても、江里乃と自分を勘ちがいしていると指摘するタイミングを逃してしまい、そのまま江里乃のふりをして交換日記を続ける流れに。
さらに実生活のうえでも瀬戸山くんと接触する機会が増え、江里乃の親友という立ち位置で彼と親しくなっていく。
自分は彼をだましている。こんな嘘は決して長くは続かない。分かってはいるけれど、交換日記を続けるうち、彼の人となりを少しずつ知っていく。
内省的な希美と、ストレートな気質の瀬戸山くんは水と油のように対極的だ。最初のうちこそ互いに噛みあわないものを感じていたけれど、瀬戸山くんは希美の内気さのなかに秘められた思慮深さを、希美は瀬戸山くんの傷つくことを恐れない強さを理解するようになる。
自分にはない相手の美点に気づいたことから、恋ははじまる。ダブルデートやテスト勉強など、さまざまなトピックを共にすることで2人の距離は縮まっていくが、それにつれて希美の葛藤もまた大きくなる。
本作が累計60万部を突破するロングセラーになった理由のひとつは、主人公が恋をすることによって成長する姿をこまやかに綴っているところだろう。
希美は瀬戸山くんを好きになったことで、自分の気持ちを言葉にして伝えることの大切さを知る。空気を読むばかりではなく、ときには空気を壊してでも自分の意見を言うことも。
頭では分かっていても、なかなか実行しづらい(特に希美のような内向的な人間には)これらのことを、希美はひとつずつできるようになってゆく。
恋は人を変える。希美だけでなく瀬戸山くんも交換日記を続けるうち、人の心の複雑さを理解して、より魅力的な男性へと変貌する。
映画版では、高橋文哉さんと桜田ひよりさんが瀬戸山くんと希美を演じている。原作の読みどころでもある彼らの関係の変化をどう見せてくれるのか、楽しみだ。
文=皆川ちか
「交換ウソ日記」 (c)櫻いいよ/ 著 とろっち / イラスト スターツ出版
(c)2023「交換ウソ日記」製作委員会
映画『交換ウソ日記』
出演:高橋文哉、桜田ひより、茅島みずき、曽田陵介、齊藤なぎさ/板垣瑞生
原作:「交換ウソ日記」櫻いいよ(スターツ出版文庫)
主題歌:「ただ好きと言えたら」 KERENMI & あたらよ(A.S.A.B)
監督:竹村謙太郎
脚本:吉川菜美
音楽:遠藤浩二
配給:松竹 7月7日(金)全国公開