自律神経を整えたら人間関係も円滑にできる! 自律神経の名医が教えるコミュ力アップする、話し方・伝え方
公開日:2023/6/26
日々のストレスのほとんどは人間関係に起因している気がする。もしかしたら、他人とのコミュニケーションをもっと円滑にできれば、ストレスは減らせるのかも? なんとなくそんな気はしつつも、一体どうすればいいのかというと、よく分からないでいる。
そんな人にオススメしたいのが、『自律神経の名医が考案した ぜったい幸せになる話し方・伝え方』(小林弘幸/主婦の友社)。「どうして自律神経の先生が話し方の本を?」と不思議に思うかもしれないが、どうやら自律神経とコミュニケーションには密接に関わりがあるらしい。自律神経は全身のほとんどの器官を支配する神経。体の活動時に優位になる交感神経と、安静時に優位になる副交感神経とで構成されるが、そのバランスが崩れると、心身にさまざまな不調が生じてしまう。「気をつけようと思っているのに、つい余計なことを言ってしまう」「話しているとイライラしてケンカのようになってしまう」「自分の意図が伝わらない」……こうしたコミュニケーション上の失敗も、実は自律神経の乱れが原因かもしれないと、著者の小林先生は言うのだ。この本では、自律神経を整える方法はもちろんのこと、話し方・伝え方を改善する方法を具体的に教えてくれる。
話し方・伝え方のスキルを学ぶ前に、まずは自律神経を整えてみよう。「作り笑いだとしても『笑顔』にはリラックス効果がある」「空気を3秒口から吸って6秒鼻から吐く『1:2呼吸法』は心を落ち着かせる」「『3行日記』は、自分の感情を整理する」「ゆっくり話すとパフォーマンスがあがる」……。本書に掲載されている自律神経の整え方は、どれも医師が教えてくれる医学に基づくもの。まさか話し方・伝え方を学ぶ第一歩として自分自身の体と向き合うとは意外だったが、こんな簡単な方法で、心身のバランスを整えることができるとは驚きだ。
自律神経を整えたら、小林先生提唱の「心が通う話し方・伝え方」を試してみよう。心を込めた感謝の言葉を口にしたり、意見するときもまずは褒めることから始めたり、ときには思っていることをはっきり伝えたり。自律神経が整っていれば、心にゆとりが持てる。だからこそ、相手に自分の考えをきちんと伝えられそうな気がしてくる。
さらにこの本は、日常生活や仕事など、いろいろなシチュエーションで起こりうることを想定、その対処法を教えてくれるから、参考にしやすい。特に、ちょっと面倒な人への対応、頭にきたときの対応を教えてくれるのは、ありがたい。怒りが湧いたらとにかく黙り、落ち着いてから解決策を提案してみたり、マウントをとってくる人は上手く受け流したり。確かにこの本に書かれているメソッドを学べば、人付き合いでイライラさせられることは格段に減りそう。他人の言葉はコントロールできないが、自分自身の受け入れ態勢を準備すれば、受けるストレスは減らせるのだ。誰もが余裕をなくしている時代だからこそ、自分の心の器を大きくしておくことが、円満な人間関係を築き、お互いが幸せに過ごすために必要だろう。
世の中には「話し方」のスキルだけを扱った本は数多くあるだろうが、この本で小林先生が教えてくれるように、自律神経をベストな状態に保てるように心がけた上でスキルを学ぶことは、コミュニケーション能力を高める近道になるに違いない。目指すはストレスフリーなコミュニケーション。あなたも、この本をもとに、自分の心身と向き合いながら、自分の話し方・伝え方を見直しては?
文=アサトーミナミ