「私を抱いてください」離婚届にサインをしてから初夜! そして一夜でまさかの妊娠!? 『トツキトオカの切愛夫婦事情』は最終回の先を見せる恋愛漫画
更新日:2023/7/3
離婚確定だった夫婦が、最後の一夜でまさかの妊娠!? …そんなちょっとドキッとするテーマで描かれた漫画『トツキトオカの切愛夫婦事情~最後の一夜のはずが、愛の証を身ごもりました~』(作画・三星マユハ 原作・葉月りゅう/スターツ出版)。
コミックス1巻が発売されると即重版。電子広告で人気は加速し、電子+紙の累計が25万部を突破する大ヒットを記録しました。大人女性を中心に、今めきめきと読者を増やしています。
さて、まるで昼ドラのような展開に「きっと産む・産まないで揉めるのね」と想像を働かせた人もいるのではないでしょうか。しかし、それは浅はかですよ。『トツキトオカ―』は、思いがけず愛の証を身ごもった夫婦が織りなす、純愛・マタニティ・ストーリー。今までフィーチャーされてこなかった恋愛漫画の「最終回」のその先を見せてくれる作品なのです。
離婚を決めた妻から「抱いてください」の提案
物語は、とある夫婦の離婚話から始まります。
政略結婚により、1年前、会社の上司である畔上慧(あぜがみ・けい)と入籍した一絵(ひとえ)。密かに憧れていた慧との結婚は、願ってもないことでした。しかし、慧にとって一絵との結婚はあくまで出世のため。
「慧さんは食事と睡眠だけ取りに帰宅するような状態でもちろん寝室も別」
「夫婦として過ごすうちに愛が生まれるかもしれないって思った事もあったけど 現実はそんなに甘くなかった」
慧への想いが膨らむほどに辛くなると感じた一絵は、ついに離婚を切り出します。彼女の固い決意を察した慧も、離婚を承諾。1カ月後に家を出るという約束で、2人は離婚届にサインをします。しかし、そこで一絵は驚くべき提案を慧に持ちかけるのです。
「私を抱いてください」
未経験の一絵は離婚する前にせめて一回は…と決めていました。唐突に大胆になる一絵に困惑する慧。返事は当然NOです。そりゃそうですよね。ちょっと怖いですよね。
ところが、なおも食い下がる一絵。切実に訴える一絵に慧もついに根負け。夫婦ははじめての夜を迎えるのです…。
そして冒頭で説明したとおり、この一夜で一絵は妊娠してしまいます。離婚すると決心した矢先の出来事に、驚きつつも喜びが溢れる一絵。
「愛する人との間に新しい命を授かるなんて こんな奇跡があるんだ」
「この先どんな事があっても私は… ――この子を産みたい」
なるほど、産みたいという一絵に対して、慧が難色を示すという展開ですね。ここからドロドロが始まっていくんですね!
と思いきや、慧は「奇跡だ……」と言って一絵を抱きしめます。ゲスな予想を一蹴。
これまで仕事一筋だった慧は、離婚を切り出されたことをきっかけに、密かに一絵への愛情を自覚していたのです。ただ、一絵の意志を尊重するため、離婚したくないとは言い出せずにいたのでした。結構前から両思いだったわけですね。なんだ、よかった!
お互いに愛し合っていることを確認した2人。離婚は白紙に戻し、もう一度夫婦関係をスタートさせることを約束します。
リアルではありえない? 激甘マタニティライフ!
一般的な恋愛漫画だと、結婚して子どもを身ごもったら、「めでたしめでたし」な雰囲気になりがちです。ここで最終回でもおかしくはありません。
しかし、『トツキトオカ―』はタイトルが示すとおり、むしろここからが本番。主人公カップルは一体どんなマタニティライフを送るのか? という、ずっと誰かにツッコんでほしかった部分を見せてくれるわけです。
特に一絵と慧は、交際期間も新婚期間もすっ飛ばしてきたので、ラブラブ期間がマタニティライフとドン被りします。お互いに気持ちが最高潮に達した2人が、妊娠中という繊細な時期をどう乗り越えていくのか注目です。
とはいえ一方で不穏な空気も。1巻では慧の“ある秘密”が明かされます。それが原因となり、恋愛に失敗した経験を持つ慧。このトラウマが、2人にどんな影響を及ぼすのかも気になるところです。
さらに、一絵に片思い中の同僚・高海や、慧の過去を知る秘書の瀬在など、脇役キャラたちがストーリーにどのように絡んでくるのかも楽しみです。
待望の紙コミックス第3巻は今年の6月発売。一絵と慧の激甘なマタニティライフを是非覗いてみて。
文=中村未来