『桃太郎』あらすじ紹介。個人の強みを活かして戦え! チーム力で勝ち取った鬼からの勝利

文芸・カルチャー

更新日:2023/6/23

桃太郎』は、日本のおとぎ話として最も知名度が高いもののひとつではないでしょうか。大きな桃から生まれた男の子が、やがて成長して鬼退治に出る姿は、古くから勇敢さの象徴とされ、多くの人に読まれてきました。本稿では、楠山正雄が再話した『桃太郎』について、作品を解説し、登場人物やあらすじをご紹介します。

<第2回に続く>
桃太郎

『桃太郎』の作品解説

『桃太郎』は、日本のおとぎ話のひとつで、室町時代後期から江戸時代初期頃に原型ができたとされています。川上から流れてきた大きな桃から生まれた男の子が、犬・猿・きじを家来にして、鬼を討伐するという物語です。第二次世界大戦が始まる少し前に、楠山正雄によって再話がなされ、桃太郎の勇敢さが模範とされました。

『桃太郎』の主な登場人物

桃太郎:主人公。桃から生まれた男の子。

おじいさん:村で暮らすおじいさん。毎日柴刈りに出かけている。

おばあさん:おじいさんの妻。川で洗濯中、大きな桃を持ち帰る。

犬・猿・きじ:桃太郎の家来になった動物たち。桃太郎と一緒に鬼退治をする。

『桃太郎』のあらすじ​​

 昔々あるところに老夫婦が住んでいました。毎日おじいさんは山へ柴刈りに、おばあさんは川へ洗濯に出かけています。ある日おばあさんが川で洗濯をしていると、川上から大きな桃が「ドンブラコッコ、スッコッコ」と流れてきました。この桃をおみやげにしようと思ったおばあさんは、桃を洗濯物と一緒にたらいに入れて持って帰ります。

 夕方になって柴刈りから帰ったおじいさんは喜び、桃を両手に持って眺めていると、突然桃が中から2つに割れました。なんと力強い赤ん坊が、産声を上げて出てきたのです。夫婦は驚きつつも喜びました。

「桃太郎」と名付けられた赤ん坊はすくすく育ち、やがて日本中で一番強い少年に成長しました。ある日、外国の島々を渡ってきた人から「遠い海の果てには鬼ヶ島があり、悪い鬼が国からかすめ取った財宝を守っている」という話を聞き、桃太郎は夫婦に鬼ヶ島へ鬼を征伐しに行きたいと伝えます。夫婦は桃太郎にきびだんごを持たせて快く送り出しました。

 道中、きびだんごと引き換えに家来にした犬・猿・きじが先導してくれたおかげで、桃太郎はあっという間に遠い鬼ヶ島へ。

 門の外から犬が大喝し、きじが門番の目をつつき、猿が裏から城門を開けるなど大活躍で、いくじのない鬼の軍勢は総崩れ。鬼の大将もついに桃太郎に捕まり、剛力で首を絞められ苦しくてたまらず、宝物を差し上げますから命だけはお助けを、と降参しました。

 桃太郎は家来たちと山ほどの財宝を積んで国へ帰り、桜の咲き乱れる中で名実ともに日本一になるのでした。

『桃太郎』の教訓・感想​​

 人々を苦しめていた悪い鬼が、正義感のある桃太郎に退治されます。悪いことをするのはよくないという教訓が込められています。また、桃太郎は、犬、猿、きじと力を合わせて鬼を倒します。それぞれの得意分野を組み合わせて倒すさまはチームワークの大切さを教えてくれます。