着物の帯は結ばなくても回さなくてもOK。インスタで話題の着物本『帯結ばない帯結び』第2弾
公開日:2023/6/23
帯を結ぶのが難しいから着物を着ないなんてもったいない!と「帯結ばない帯結び」を提唱し、さまざまな結び方を考案しているayaayaさん。大阪で着付け教室を主宰しているayaayaさんが妊娠中に感じた、「もっとラクに時短で着物を着たい」という思いから生まれたこの結び方は、そのお手軽さと可愛さから話題となり、SNS等でも注目を集めている。
先日、そんなayaayaさんの書籍『帯結ばない帯結び 2』(ayaaya/TAC出版)が発売された。2019年10月に発売された『帯結ばない帯結び』(ayaaya/TAC出版)に続く第2弾となる本作では、新たな「結ばない結び方」を32パターン掲載。また、これからの時期に重宝しそうな浴衣着付けの基本アイテムや浴衣の着方も詳しく紹介されている。
続いて、いきなり着物を着て外出するのは少し緊張する……という人もいるだろう。そういう人は、まずは普段着ている洋服と組み合わせてみるのもいいかもしれない。
メインとなる「結ばない帯結び」については、帯を「チーム半幅」「チーム名古屋」「チーム幅広」と3つのチームに分けて紹介している。ちなみに名古屋帯とは、着付けを簡略化するために名古屋で発案された帯を指すそうだ。また、新たに考案されたアレンジには、帯を「結ばない」だけでなく、後ろに「回さない」で、最初から後ろで完成させられるものも多数ある。
そして着物を楽しむうえでどうしても気になるのがコスト。着物って高いんでしょ? あれこれ小物も必要だし、一式そろえたらだいぶかかりそう……と、お金の面で立ち往生してしまう人も多いはず。しかし本書では、着付け小物を伸びる靴紐やタイツ、下敷きなど100円均一で売っているアイテムから自作する方法も伝授。正式なものを買い揃える楽しみもあるが、まずはコストを抑えてお手軽に始めることもできる、と知っておけば、ハードルも下がるというものだ。
ほかにも、長すぎる着物や短すぎる着物を美しく着るコツ、着崩れしにくい「二部式襦袢」、帯を結ぶタイプのアレンジなど、ayaayaさんの着物活用術はとどまるところを知らない。巻末の「おわりに」で語られるayaayaさんが辿ってきた道、着物への思いからは、着物を着ることがただのファッションではなく、「人生そのもの」なのだと伝わってくる。
昔から一生懸命なのに要領が悪く、流されやすくて、人間関係がうまくいかずに悩んでいたというayaayaさん。そんな彼女にとって、着物との出会いはまさに「運命の出会い」だったという。着物を自由に愛し、心から楽しんでいるからこそ、思わずハッとするような帯アレンジを生み出し続けることができるのだと感じた。そこには、着物を着たいと願うすべての人を包み込んでくれるような温かさが溢れている。これまでなかなか着物を着る勇気が出なかった人も、この「帯結ばない帯結び」なら、きっと自分にハマる着物の楽しみ方を見つけられることだろう。
文=月乃雫