少女たちは演劇界の頂点を目指す――2023年春アニメの話題作がコミックに!『ワールドダイスター アンコール!』

マンガ

公開日:2023/7/3

ワールドダイスター アンコール!
ワールドダイスター アンコール!』(ななふじ:漫画、Sirius:原作、タカヒロ:ストーリー原案、Mika Pikazo:キャラクター原案/KADOKAWA)

「超演劇時代」を迎えた世界で、役者の頂点を目指す少女たちの物語が「演劇ガールズプロジェクト・ワールドダイスター」である。紹介するのは、TVアニメ、ゲームとメディアミックス展開をしている本作のコミカライズ版『ワールドダイスター アンコール!』(ななふじ:漫画、Sirius:原作、タカヒロ:ストーリー原案、Mika Pikazo:キャラクター原案/KADOKAWA)。

 ストーリー原案は「魔都精兵のスレイブ」や「結城友奈は勇者である」などに携わり、ファンから絶大な支持を受けるクリエイター・タカヒロ氏。キャラクター原案は、VTuberやアプリゲームのキャラデザインから、ライトノベルのイラストまで手がけるMika Pikazo氏。そして美麗な作画は、新進気鋭の漫画家・ななふじ氏が担当している。

 豪華スタッフが送る、“センス”を輝かせる役者たちの物語。その幕が上がったのだ。

advertisement

役者の頂点「ワールドダイスター」を夢見る少女たち

 輝かしい演じ手「ダイスター」の出現によって、世界は超演劇時代へ突入していた。演劇は世界規模の大ブームになり、役者たちは「ダイスター」を、さらにその頂点である「ワールドダイスター」を目指している。

 ストーリーは主人公・鳳ここな(おおとりここな)が浅草へ向かうところから始まる。彼女は数多くいる「ワールドダイスター」になる夢を追う少女で、いつも親友の静香(しずか)と熱心に演技の練習をしていた。浅草には日本が誇る元ワールドダイスター・山吹シャモが立ち上げた劇団シリウスがあり、ここなは、その入団試験を受けることになっていた。

 ここなは、静香とともにシリウスの劇場を目指す途中、同じ入団試験を受けるカトリナ・グリーベルに遭遇する。強気で厳しい言葉をぶつけてくるカトリナとともに、試験に臨むここな。ただ彼女には「“センス”がない」と言われて、いくつものオーディションを落とされた経験があった。

 ここなは演技審査でカトリナの“センス”に圧倒されつつも「自分がなりたかった姿」を何とか演じきる。それは親友である「静香の姿」だった。

 シリウスの副主宰・柊望有(ひいらぎのあ)に認められ、ここなは入団を認められる。こうして彼女のシリウスでの役者人生が始まった。

“センス”を輝かせて役者の道を歩む、きっとふたりで

 シリウスの団員には新妻八恵(にいづまやえ)、柳場ぱんだ、流石知牙(さすが ちさ)などがいた。彼女たちは全員“センス”をもっており、皆それに磨きをかけ、ライバルである仲間と切磋琢磨していく。ここなとカトリナは、公演ごとにシリウス内のオーディションで彼女たちと役を争うのだ。

 この物語において、役者のもつ“センス”とは特別なものである。

“センス”とはこの世界の役者がもつ特殊能力のことだ。それは、ひとりひとり特有の個性で、本人、あるいは周囲に作用する。自身の力を増幅させるもの、他の演者や劇団員、観客に影響を与えるものなど、様々な種類がある。「“センス”がない」と言われていたここなだったが、柊には感じるものがあった。はたして彼女の“センス”とは何なのか。これが本作の最初のポイントである。

 そしてここなと静香との関係もまた物語のポイントになる。ふたりはいつもいっしょだ。演技の練習をしているときはもちろん、実家でも、入団試験でも、シリウスの寮でも、オーディションでも。

 ここなは静香に憧れている。彼女は弱気なここなと違って、いつも強気でポジティブで、堂々とした演技をみせる。演技プランを静香が考え、ここなが演じることもある。ここなはずっとふたりでがんばっていきたい。だが静香は……。ふたりはこれからも共に歩み、「ワールドダイスター」を目指せるのだろうか。

 TVアニメは一足先に完結したが、この『ワールドダイスターアンコール!』は「コミックアライブ+」で連載中。さらに2023年の夏にはスマホゲームアプリ「ワールドダイスター 夢のステラリウム」の配信も予定されている。“センス”とふたりの少女の関係を描く物語は、まだまだ終わらない!

文=古林恭