わが子の発熱、湿疹、やけど、アレルギー……。「こんなときどうする?」小児科医のアドバイス・対処法が一冊に凝縮!
公開日:2023/7/6
初めての子育て中、我が子の具合が突然悪くなった! でも、救急につれていくべきか、いったん様子見でよいのかわからない……。さらにそれが夜間の場合は、相談できる相手もいないしどうしよう……。
こんな困った経験をした方全員におすすめしたい一冊が、子どもの病気やケガに関する対処法をまとめた『行列のできる子ども健康相談室 0~10歳児の病気とケガのおうちケア』(竹綱庸仁/KADOKAWA)である。
著者は年間約3万人の子どもを診療する「たけつな小児科クリニック」の院長で、共働きの親が病気の子どもを預けられる「病児保育室バンビ」の運営もおこなう。
本書では、発熱や湿疹、アレルギーなどのオーソドックスな症状から、やけどや誤飲、打撲などのヒヤッとするケガやトラブルまで、52の症状をカバーし、その対応を丁寧に解説。さらに、「これって、うちの子だけ?」と心配になるような発達に関する悩みや、数が多くてつい忘れがちな予防接種の種類や接種時期に関しても見やすくまとまっている。
この湿疹、いったい何の病気!?
子どもの病気でよく見られるのが湿疹・かゆみの症状。しかし、ひと口に湿疹と言っても、虫刺されから食物アレルギー、手足口病などの感染症まで、原因はさまざま。専門家でなければ、いったい何の病気か判断するのは至難の業だろう。
そんなときは、本書に記載されている「もしかしたら、この病気かも?」フローチャートをたどっていくだけで、我が子の症状が湿疹・かゆみに関する代表的な病気のうち、どれに当てはまるのかを参考にすることができる。
フローチャートに記載されている一覧から、疑わしい症例があった場合、各ページに記載されている病気やケガの詳しい解説を参照するのも簡単!
それぞれの病気・ケガの説明や、おうちでのケア、注意点はもちろん、判断の難しいときに助かる「救急or病院 チェックリスト」も記載されているため、はじめての症状でも焦らずに対応できそうだ。
情報満載! お役立ちコラムで不安解消
さらに、本書を読んでいて参考になる情報が満載だと感じたのが、各章のコラムページだ。
「初めての夜間診療や救急を利用することになった場合の持ち物は?」「赤ちゃんが薬を嫌がって飲んでくれない!」「麻疹(はしか)や日本脳炎などのワクチンっていつ打つの?」など、なにかと発生する悩みへの解消法が記載されていて、不安になったときに読み返したくなる。
本書は、初めての子育てをしている保護者の方はもちろん、幼い子どもが身近にいる人にとっても役立つ情報がたくさん載っている。
最近はネットで簡単に検索できる時代だが、正しくない情報も多く、誤った判断をしてしまう可能性も。そんなとき、竹綱先生のわかりやすい解説があれば、とっさの出来事でも冷静に判断できると感じた。
いつ訪れるかわからない大事な我が子の病気やケガに備えて自宅に携帯しておきたい、お守りのような一冊である。
文=笹村美海