「右上がり6度」で諦めていたクセ字が生まれ変わる!誰でも簡単に美しい文字が書ける「美文字の10大ルール」とは?
公開日:2023/7/11
もっと字が上手かったら…。紙に綴った自分の字を見るたびに、そうモヤモヤしている人は意外と多いはず。美文字に憧れつつも、通信講座などで学ぶのはもったいない気がして、綺麗な字を書くことを諦めた人もいるのではないだろうか。
そんな人に勧めたいのが、クセ字を直すコツが詰め込まれた『誰でも美文字』(Shunpu/主婦の友社)だ。
著者は書道家で、美文字系インスタグラマーとして人気を博している。本書では、大きくて見やすいお手本文字と一緒に、ひらがなやカタカナ、都道府県名・苗字などでよく使う漢字の美しい書き方を紹介。
子どもに字を丁寧に書いてほしいと思っている親御さんや、パートナー(夫や彼氏)の字の雑さや、年々読みづらくなっている親の字に悩んでいる方にも役立つ一冊となっている。
正しい姿勢や下敷き選びの大切さ!美文字を書くために知っておきたい基礎知識
美しい文字を書くためには、姿勢も重要。机に向かう時は背中を丸めず、ほどよい角度で上半身を前に傾けようと著者はアドバイスする。
足を組んだり、投げ出したりするのもNG。ひざの角度は90度を意識し、足裏はしっかり床につける。体と机の距離は、握りこぶしひとつ分をキープしよう。
筆記用具は親指と人差し指でつまみ、他の指は支える程度に。力を入れて握りすぎないように気をつけ、角度は60度前後を維持するのがポイントだ。
文字を書く時は筆記用具に目がいくことが多いが、実は下敷き選びも重要。適度なやわらかさがある下敷きを選ぶとペン先が沈むため、ツルツルの机に紙を置くよりも書きやすくなるという。
また、著者は文字を書く前には、ウォーミングアップとして線を書くことを勧めている。丁寧に、かつスピード感を意識して、リズムに乗りながら縦線や横線、ななめ線などを書くとよいのだとか。美文字を習得するには、下準備も大切なのだ。
本書では本屋や文房具店で手軽に手に入る、イチオシのペンや下敷きを写真付きで紹介しているので、そちらを参考にし、まずは必要な道具を揃えるところから始めてみよう。
文字が美しく見える!目からウロコな“美文字の10大ルール”とは?
著者は、美文字に見える“10大ルール”も本書で公開。なかでも一番に意識したいのが「横線は、右上がりに6度」というルール。横線が何本あっても常に6度右上、時計で言うと長針が13~14分をさす角度を目安に書くというもの。これは漢字に限らず、ひらがな、カタカナ、すべての文字に共通する美文字の定石なのだとか。
また、「書」や「三」のように線が何本も並ぶ漢字は1本の線だけ長く書き、ひし形を意識。横線を長く書く時は、中心より左側の部分を少しだけ長めにすると恰好がよくなるという。
ほかにも、「口」や「くにがまえ」のように四角く囲むパーツは4つの角をしっかりと閉じるのがポイント。ただし、「昭」や「日」「買」の「目」の部分のような、囲いの中にある線は右の縦線につけず、少し開けると抜け感が出て綺麗に見えるという。
さらに意外と綺麗に書くのが難しいひらがなは、漢字のように横線を直線で書かず、右上がり6度を意識するとよいのだとか。「え」や「わ」「を」といった、行って戻る線がある文字は戻る時に隙間が空かないよう、行きと同じ線をたどるようにしよう。
なお、本書では美文字のための「おさえておきたい漢字の7大ルール」も紹介。やる気になった時に、すぐ実践できる「別冊練習帳」もついている。
憂鬱な気持ちになっていた「文字を書く時間」が楽しみに変わる喜びを、ぜひ多くの人に体感してほしい。
文=古川諭香