葉物野菜、根菜、お惣菜、ピザ……。冷凍食品のニチレイフーズが教える、冷凍保存をフル活用する神テク集

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公開日:2023/7/11

ニチレイフーズの広報さんに教わる 食材の冷凍、これが正解です!
ニチレイフーズの広報さんに教わる 食材の冷凍、これが正解です!』(株式会社ニチレイフーズ:監修/KADOKAWA)

 食品を含めた様々な商品が値上がりしている今、少しでも生活の質を落とさずに節約したい、と模索する人が増えているように思う。そうした中で、セール品や割引商品を積極的に活用できるか否かは、家計に大きく響いてくる。しかし自分、または家族が日々消費する量はそんなに変わらないし、必要以上に買い込んで無駄にしてしまっては意味がない。

ニチレイフーズの広報さんに教わる 食材の冷凍、これが正解です!』(株式会社ニチレイフーズ:監修/KADOKAWA)は、そんな残念な結果になる前に食材を冷凍し有効活用するための本。タイトル通り、冷凍食品でおなじみのニチレイフーズの広報担当者が教える冷凍ワザがたっぷり詰まった1冊だ。傷みやすい食材、使用頻度が高いのに処理が面倒な食材などはもちろん、残り物や買ってきたお惣菜の冷凍保存方法まで幅広く紹介されている。

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よく使う食材の冷凍保存で、手間も食費も節約!

 まず押さえておきたいのが、野菜や肉、魚などの傷みやすい食材の冷凍保存方法。特に洗うのが面倒な葉物野菜、切るのが面倒な食材は、まとめて下処理を済ませておくと手間を大幅にカットできる。筆者も肉や魚、小松菜、ねぎ、玉ねぎ、きのこ類、刻んだ生姜はよく冷凍してストックしている。玉ねぎは冷凍すると炒める時間を短縮できるし、きのこは栄養価アップというメリットもある。小松菜は、炒め物やスープに使うほか、そのまま調味料に漬け込んでおひたしにすることも可能だ。

 だが本書には、「それ冷凍していいの!?」と驚くような食材も。筆者はキャベツやレタス、大根は、冷凍すると水分が抜けて食感が変わってしまうと思っていたが、どうやらこれらも冷凍できるらしい。キャベツと大根は、それぞれカットして保存袋に入れればOK。レタスはちぎって保存袋に入れ、アルミホイルで包んで急速冷凍すると変色を防げるそう。こうした野菜は丸ごと買うとお得だが、使い始めると切り口からどんどん傷んでしまうため、捨てる場所が増える失敗を恐れて2分の1や4分の1にカットしたものを買いがち。でも冷凍保存できるとなれば、安心して丸ごと活用できそうだ。

 また、肉はそのままラップで、魚は臭みを抜くなどの下処理をしたのちラップで包んでジップロックなどの保存袋に入れて冷凍すると、空気に触れないためおいしさが長持ちする。消費期限が近づいて割引価格になっているものも、買ってすぐに冷凍してしまえばストック食材として大活躍だ。このほか卵やバター、生クリームなども冷凍OK。

お惣菜や残り物で冷凍食品を自作!

 おいしく冷凍保存できるのは、生の食材だけではない。市販のお惣菜やピザ、家で作ったおかずの残り物も、工夫次第でおいしいまま保存できる。閉店間際のスーパーに行くと、売れ残ったお惣菜がたくさん割引されている。これらをうまく使えば、あっという間に自作の冷凍食品が完成するというわけだ。

 例えば、お弁当にも重宝する鶏の唐揚げ。熱が残っていたら冷まし、2~3個ずつラップで包んで保存袋に入れ金属トレーの上で急速冷凍すれば完成。食べるときは、電子レンジならジューシーに、オーブンならサクッと仕上がる。余ったピザも、小分けにして冷凍しておけばいつでも食べたい分だけ味わえる。本書の保存方法とおいしい温め方を知っておくことで、ひとり暮らしや少人数の家庭でも、「1枚買うともう1枚」などの宅配ピザのお得なキャンペーンをフル活用できる。

 上記で紹介した以外にも、お好み焼きやグラタン、ポテトサラダなど、まとめて作りたいけど日持ちしない料理の保存方法が盛りだくさん。個人的には、スライスチーズのように薄く平らに伸ばしたあんこの冷凍保存も気になった。これがあれば、あんバターパンもあっという間だ。

 個別の冷凍保存方法のほか、冷凍保存初心者向けに「冷凍保存の基本ルール」についてもしっかり触れられている。Q&A形式での分かりやすい解説は、普段から料理をする人にも勉強になるだろう。こうして無駄をなくすことで、手間とお金の節約になるだけでなく、食品ロスを減らすことにも繋がる。冷凍保存術は、今後ますます欠かせないものになっていくはずだ。

文=月乃雫