もふもふの小動物やツヤのある髪も描ける!人気絵師4人が教える「コピック」のスーパーテクニック
公開日:2023/7/14
イラスト、アート、デザインなど幅広い分野で使われているアルコールマーカー「コピック」は世界70か国以上に愛好者がおり、いまやイラストを描く人の必須アイテムになっている。
コピックは筆ペンのような「スーパーブラシ」とマーカーのような「ミディアムブロード」という2種類のペン先になっており、ハンドライティングならではの質感と手触りが表現できる。
そんな神アイテムの使いこなし方を記したのが、『人気絵師が推す20色で極める! コピック上達テクニック』(ことりはな:著、りーりん:著、優樹ユキ:著、梅星太朗:著/主婦の友社)だ。本書では、「ぼかし」「グラデーション」「重ね塗り」といったコピックの基本テクニックや、ワンランク上の絵に仕上げるスーパーテクニックを公開している。
■簡単にマスターできる「重ね塗り」や「グラデーション」
コピックには、様々な基本テクニックがある。例えば、線を描く時は2種類の筆先を使い分けることが重要だ。
筆ペンのような「スーパーブラシ」は、グラデーションが得意。筆圧や持ち方を変えることで、太さや濃さが調整できる。こちらで太い線を描く時にはペン先を少しねかせて、用紙に当てるようにするのがポイント。力加減を調節しながらペン先で点を打てば、密な点描やまばらな点描が表現できる。
一方、「ミディアムブロード」は、均一な幅の線を描くのに最適。ペン先の面や角度を変えると様々な線が描け、広い面を塗る時にも重宝する。
こうしたブラシの違いを理解したら、基本テクニックにチャレンジしてみよう。初心者さんでもマスターしやすいのが、1色での重ね塗りだ。
やり方は2ステップで簡単。上下に2本線を引き、乾かした後に2本目の線を2度塗りするだけ。すると、重ね塗りした線のほうが、何もしてないほうよりも色が濃くなっていることが分かる。コピックにはこんな風に、同じ色を塗り重ねるごとに色が濃くなるという特徴があるため、1色でも自然な濃淡を表現できるのだ。
また、髪の毛の流れや光の加減などを表現する時に役立つグラデーションのテクニックも習得しておきたい。まずは、1色でのグラデーションに挑戦。
①ペン先を上下に動かして塗り、色を薄くしたい方向にいくにしたがって力を抜く。
②色が乾かないうちにペン先を動かし、左側を薄くするイメージで重ね塗りをする。
わずか2ステップで綺麗なグラデーションが完成するこのテクニックは、目からウロコ。慣れてきたら、複数色でのグラデーションにもチャレンジしてみよう。
本書には他にも、「ぼかしのテクニック」や「カスタムインクの作り方」、色を持たない「カラーレスブレンダーの使い方」など、絵を描く上でタメになる知識が豊富に収録されている。基本テクニックのうち9つの技法は、動画でも学べるようQRコードが記載されているので、そちらも必見だ。
■4人の人気絵師が推し色+コピックデビューセットでイラストを制作
コピックは全300色以上と、カラーバリエーションが豊富。だからこそ、色選びに悩んでしまうこともある。
本書はそんなあるあるな悩みも解決。なんと、4人の絵師たちが推しの10色を紹介。コピックデビューセット10色と推し色10色で、息をのむ作品を描いている。
例えば、小動物やほんわかしたイラストを描きたい方の参考になりやすいのが、ことりはなさんの推し色や技法。
ことりはなさんはイエローやピンクをまばらに入れることで、髪色が単調にならないように工夫。光の当たる部分と影を交互に描くことで、立体感を表現している。
イラストに描かれている小鳥は、ペン先の軽いタッチを駆使したり、濃い色に薄い色を重ねてなじませたりして、ふわふわに見えるように。
洋服は面積が広いため、デザインが単調にならないよう、模様を細かく描くのがポイントなのだとか。また、立体感を出すために、シワをふちどってもいるという。普段、見ることができない絵師のプロテクニック。コピックを極めたい人はぜひ、参考にしてみてほしい。
コピックデビューしたい方はもちろん、ワンランク上のコピック画を描きたい方にとっても本書は役立つ。手元にあれば、イラスト制作の楽しみ方が広がるはずだ。
文=古川諭香