ヒロインの成長していく姿が愛おしい! この気持ちこそがキュンキュン!?『主人恋日記』/斉藤朱夏のしゅか漫画⑲

アニメ

公開日:2023/7/15

斉藤朱夏_1

なんだよ、なんだよって思わず呟いちゃう。
みんな主人公にはなれるんだな。
少女漫画みたいなヒロインになんて絶対なれない。漫画だけの世界だ、って思っていたけど、実際はみんなが人生の主人公なんだ。

今回紹介するのは、吉永ゆう先生の『主人恋日記』(小学館)。
ヒロインの葵は自己肯定感が低く卑屈でいつもひとりぼっち。
ある日、兄の樹と、樹の後輩でイケメンモテ男の世那が葵に恋のレクチャーをすることに!
葵の物語がここから始まる!

少女漫画を見るたびに、
恋ってなにかな?愛って結局なんだろう?
という答えがないものに蟻地獄のようにはまっていく。

でも、恋をすると女の子も男の子も、みんな可愛くなってかっこよくなる。
こんなふうに見られたい、好かれたいという気持ちから、どんどん自分を成長させる。

この作品のヒロインの葵もそうだ。
物語が進むにつれて可愛くなり、少しずつ前へ前へと道を開いていく。
その姿が愛おしいし、ひっさしぶりにめちゃくちゃびっくりするぐらいキュンキュンしてしまった。
世那がずるいんです。本当に、本当に本当!!!!

あ~こういうことを「キュンキュン」というのかもしれない。
これ学生時代に読んでいたら、憧れてしまうだろうなっ。
多分、葵と同じようにメガネをつければこの物語と同じになれるかも!? なんて安直な考えになっていただろう笑

学生の時ってそうなんです。
狭い世界で生きてるから漫画で見たものが現実になればな、なんて夢を見るんです。
でもその時間が何より楽しいんだよね。

気になる人ができた葵が
「目が合うとそれだけでいい日だと思えたりつまらない気持ちになったり
自分がどんどん欲深くなっていくのがわかる」
と言っていて、恋愛ってここまで人を変えるパワーがあると思うと本当にすごい。

気持ちが波のようにコロコロ変わる感じはもちろん恋愛だけではないと思う。
仕事や人付き合いでも、波のように悩むことが絶えない絶えない。
生きるって大変だね、そう思うと笑

でもその経験があるからこそ、私たちは日々成長できてる。
前へ前へと進もうと決めるとやっぱり少し怖気づいたりする。でもそれってきっといい証拠。変わるって最初は怖いけど、ただ変化を待っているばかりだと何も動かない。

恋愛も人生もそうで、自分から動かないと何も変わらない。
少女漫画ってただキュンキュンするだけではないのかもと、多くの作品を読んでいて思う。
主人公が前へと進む姿を見て、自然と私も頑張ってみようと背中を押してくれるのだ。

もちろん、キュンキュンしたい人は特に、この作品は注目です!

<第20回に続く>
斉藤朱夏(さいとう・しゅか) 埼玉県出身。声優、アーティスト。2015年『ラブライブ! サンシャイン!!』の「渡辺 曜」役で本格声優デビュー。同作品のスクールアイドルグループAqoursとしても活動。2018年11月に開催されたAqoursの東京ドーム公演(2days)では、国内外ライブビューイング含め、15万人の動員を記録。「第69回 NHK紅白歌合戦」への出場も果たす。2019年にミニアルバム『くつひも』でアーティストデビュー。2020年にミニアルバム『SUNFLOWER』、2021年8月に1stアルバム『パッチワーク』をリリース。