できない人は「モチベーション」という言葉に頼りがち? 結果を出すための正しいビジネスワードの使い方

ビジネス

公開日:2023/7/21

絶対達成する人は「言葉の戦闘力」にこだわる
絶対達成する人は「言葉の戦闘力」にこだわる』(横山信弘/PHP研究所)

 職場で飛び交う言葉の使い方は正しいのか。企業での目標達成にフォーカスするビジネスコンサルタントである横山信弘氏の著書『絶対達成する人は「言葉の戦闘力」にこだわる』(横山信弘/PHP研究所)を読むと、新たな問題意識が芽生えてくる。

 よく使われる「モチベーション」や「PDCA」などの言葉は、しっかり意味を捉えなければ結果につながらない。一体なぜか。本書の内容を紹介していこう。

結果を出せる人は「モチベーション」にこだわらない

 本書によれば、モチベーションとは本来「あたりまえのことを、あたりまえにやるだけでなく、それ以上の行動をとるために必要な心の動き、意欲、動機付け」を意味する。目を向けるべきは「それ以上の行動をとるために必要」の箇所だ。これはすなわち、日常的に「あたりまえ」なことにはモチベーションは不要であるとも捉えられる。

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 目標を達成できる人は、この「あたりまえ」をしっかりとみきわめている。「目標を達成できなくてもあたりまえ」とは思わず、自分のあるべき姿を考えながら、現状とのギャップを埋めようと「あたりまえ」に行動しているため、モチベーションなる言葉に振り回されることもないという。

 モチベーションを口に出す人。例えば、「モチベーションが上がらない」などとして業務にあたる人は謙虚さがなく、どこか他責思考でもあると本書は辛らつな指摘をする。そう言いたくなる気持ちをグッとこらえるのが、結果にこだわるビジネスパーソンになるための第一歩だ。

無闇やたらに使うべきではない「PDCA」

 ビジネスワードの「PDCA」は、「Plan(計画)、Do(実行)、Check(検証)、Action(改善)」の頭文字をまとめた造語だ。目標達成のために大切とされ、「PDCAを回していこう!」などの形で使われる。

 しかし、無闇やたらに使うべき言葉ではない。本書にある例では、社内の組織風土改革など、確固たる「Plan(計画)」を立てづらく「誰がいつ何をどれぐらいの数、実行すればいいのか」が明らかでない問題には、「PDCA」の考え方自体がそもそも向いていないという。

 一方で、活用できるのは「Plan(計画)」を明らかに立てられる問題や課題だ。本書では「PDCA」は「Plan(計画)」が重要だと主張しているが、あらかじめ「期限や数値目標」、「誰が、何を、どの状態までにするのか」を決めてから、のちのサイクルを回すのが理想だ。

 これらの他、「イノベーション」や「主体性」など、ビジネスでよく使われるフレーズの“真意”に迫る。とにかく結果を出したいと願う人にとって、学びを与えてくれる1冊だ。

文=カネコシュウヘイ