最近もの忘れがひどいおじいさん。財布が見当たらず、近所の孫に連絡をすると?【もの忘れ】/意味がわかると鳥肌が立つ話 続⑪
公開日:2023/9/11
『意味がわかると鳥肌が立つ話 続』(蔵間サキ:編著、大志:絵/Gakken)第11回【全11回】
大ヒットしたショートストーリー集、「5分後の隣のシリーズ」『意味がわかると鳥肌が立つ話』の続編! 恐怖感がさらにパワーアップ!何気ない物語を読み進めると、“鳥肌”の立つような意外な展開が待っていた…。恐怖だけではなく、感動、笑いなど、どっぷりはまってしまう「鳥肌」ショートストーリーをお楽しみください。
もの忘れ
最近、もの忘れがひどくなってきた。どこに何があるのか、すぐに忘れてしまって、何をするにもまずは探し物から始まる。
「圭太、私のメガネを知らんか?」
「洗面所にあったから持ってきてあげるよ」
近所に住む孫の圭太が私の頼みの綱だ。一人暮らしの私を心配して、こちらからお願いしなくても、気にかけて、よく来てくれるのだ。家のどこに何があるか、よく把握しているので助かる。
圭太が帰った後、宅配便がやってきた。代引き払いだという。困った。財布はどこに置いただろう? 受け取りに必要なハンコも見つからない。
私は仕方なく圭太に電話をかけた。すると、圭太が大慌てで戻ってきて「どうしたの?」と言う。圭太の言葉を聞いた私は、腰が抜けるほど驚いた。