お金のデザインがときどきかわるのはなぜ? 人の顔が多い理由は?/池上彰のこれからの小学生に必要な教養
公開日:2023/7/29
フリージャーナリスト・池上彰氏による、小学生に必須の教養本『池上彰のこれからの小学生に必要な教養』(池上彰/主婦の友社)。「お金」「政治」「歴史」「SDGs」「インターネット」の5つの分野から厳選した教養を伝える。小学生が「自分ごと」としてとらえられるよう工夫するとともに、誰かに質問されたときに自分の中から引き出してアドバイスできる人=「教養がある人」を目指せる一冊。本書の中から、大人の学び直しにもおすすめの教養を、全6回で紹介します。
※本稿は、『池上彰のこれからの小学生に必要な教養』から、一部抜粋・編集しました。
お金の教養 お金のデザインがときどきかわるのはなぜ?
いちばん大きな理由は偽札を造らせないため
日銀が造るお札は、ほぼ20年に一度のペースでデザインが新しくなっています。そしてそのほとんどには、歴史上有名な人物の肖像画が描かれています。なぜでしょう?
最大の狙いは「偽造防止」。偽札を造らせないためです。私たちは、いつも有名な人の顔を見慣れていますから、少しでも違った感じを受けたなら「何か変だな?」「偽札じゃないか?」と気づくことにつながる、と考えられているのです。
偽札だとすぐに見破られないものを造るには、大変な技術や設備が必要です。そのためにはお金もかかる。つまり、お札造りの技術が上がれば上がるほど偽札造りはむずかしくなり、悪いことを考える人が減ると期待されているのです。
また、歴史上の有名人が描かれることをきっかけに、その人物に関する歴史について、多くの人に改めて理解してもらいたい、という思いもあるんですよ。
<第2回に続く>