投資信託って何? 「投資でお金がふえる」とは?/池上彰のこれからの小学生に必要な教養

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公開日:2023/7/30

フリージャーナリスト・池上彰氏による、小学生に必須の教養本『池上彰のこれからの小学生に必要な教養』(池上彰/主婦の友社)。「お金」「政治」「歴史」「SDGs」「インターネット」の5つの分野から厳選した教養を伝える。小学生が「自分ごと」としてとらえられるよう工夫するとともに、誰かに質問されたときに自分の中から引き出してアドバイスできる人=「教養がある人」を目指せる一冊。本書の中から、大人の学び直しにもおすすめの教養を、全6回で紹介します。

※本稿は、『池上彰のこれからの小学生に必要な教養』から、一部抜粋・編集しました。

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お金の教養 投資信託って何?

自分の代わりにプロにお金を投資してもらう

 応援したい会社や人を元気にするためにお金を出すのが「投資」です。投資の目的は利益を得ることですが、土台には応援したいという気持ちがあります。結果的に自分のお金が世の中のためになり、うまくいけば利益が得られる。お金を出す方も受け取る方も嬉しい関係を築くことなんです。

 そういう気持ちがなくて、「この株はもうかる」「この土地は値上がりする」と利益を得ることだけを目的にお金を出すのは「投機」です。投機はいわばギャンブルで、誰かを応援するものではありません。

 ところで、いざ投資をしてみようとなると、どのように始めたらいいのかわからない人がたくさんいます。そういう人が、銀行や証券会社などお金を扱う会社にいるプロにお金を預けて、自分の代わりに投資してもらうのが投資信託です。

 信託というのは、人を信じて託すということですからね。経験豊富なプロを信用して、その人に自分のお金を運用してもらう。実際には、預けたお金が減ってしまうこともありますが、そのリスクも受け入れて託すのが投資信託です。

池上彰のこれからの小学生に必要な教養

投資は誰かを応援すること

そのお金を受け取った会社が元気になる、新しい仕事ができるようになる。そういう目的でお金を出すのが投資です。

池上彰のこれからの小学生に必要な教養

投機はお金を求めるギャンブル

目的はお金をもうけることで、応援する気持ちはありません。株や土地を、もうけるために売り買いするのが投機です。

池上彰のこれからの小学生に必要な教養

投資信託のしくみ

1 投資したいお金を、銀行や証券会社などにいるお金のプロに預けます。

2 プロはさまざまなデータや知識を使いこなしてお金を運用します。

3 もうけが出ても出なくても、プロには一定のお金を運用料として払います。

4 運用の結果がうまくいかず、預けたお金が減ってしまうこともあります。

池上彰のこれからの小学生に必要な教養

「投資でお金がふえる」とは?

 たとえばある会社を応援したいと思って、その会社の株を買うとします。でも株価(株の値段)は、いつも少しずつ変わっているんです。株を買う人が多ければその会社の価値はそれだけ高いということですから、株価も高くなります。逆に少なければ株価は下がります。八百屋さんで野菜が売られているように、株も「株式市場」という市場で売り買いされています。投資家は市場で株の値段を見ながら、売ったり買ったりするわけです。100円で買った株が150円で売れれば、投資家には50円のもうけが入るというわけです。投資先は株だけでなく、債券※などさまざまなものがあります。

※国や自治体、企業がお金を借りるときに発行する証書

<第3回に続く>

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