年金は将来もらえなくなるの? 日本の年金のしくみって?/池上彰のこれからの小学生に必要な教養
公開日:2023/7/31
フリージャーナリスト・池上彰氏による、小学生に必須の教養本『池上彰のこれからの小学生に必要な教養』(池上彰/主婦の友社)。「お金」「政治」「歴史」「SDGs」「インターネット」の5つの分野から厳選した教養を伝える。小学生が「自分ごと」としてとらえられるよう工夫するとともに、誰かに質問されたときに自分の中から引き出してアドバイスできる人=「教養がある人」を目指せる一冊。本書の中から、大人の学び直しにもおすすめの教養を、全6回で紹介します。
※本稿は、『池上彰のこれからの小学生に必要な教養』から、一部抜粋・編集しました。
お金の教養 年金が将来もらえなくなると聞いたけど…?
額が減ったり、もらえる時期が遅くなったりすることはあるかも
年金がもらえなくなるとしたら、それは日本という国が滅びるときです。年金制度は国がつくって支払いを約束したものですから、今、保険料を払っている人たちには必ず年金を払わなくてはいけません。それが国としての義務です。年金が全く払われなくなるなんていうことは起こりません。
ところで年金制度は、自分で払った保険料が将来の自分の年金として積み立てられているのだと思っていませんか? 実は違うんです。
今、高齢者がもらっている年金は、若い世代が働いて払っている保険料です。そうやって高齢者を支えた人たちが、今度は自分が高齢になったときに次の若者世代に支えてもらう。世代間で支え合いをしているのです。だから、少子化が進んで高齢者を支える世代が減れば、年金の額が減ったり、受け取れる年齢が遅くなったりする可能性が高くなります。「年金がもらえなくなる」というのは、そういうことを言っているのかもしれませんね。