犬の問題行動に悩むすべての飼い主へ! 初心者にもできるポチパパ流メソッド『犬のしつけ大全 お困り行動解決編』

暮らし

公開日:2023/7/31

体罰ゼロのポチパパ流 犬のしつけ大全 お困り行動解決編
体罰ゼロのポチパパ流 犬のしつけ大全 お困り行動解決編』(北村紋義/KADOKAWA)

 犬と楽しい暮らしを送っている家庭でも、じつは悩みごとを抱えていることが少なくない。しつけ方のちょっとした疑問から深刻な問題行動まで多岐にわたる。『体罰ゼロのポチパパ流 犬のしつけ大全 お困り行動解決編』(北村紋義/KADOKAWA)には、犬に関するあらゆる悩みを解決するための80のヒントが掲載されている。

 著者は犬の問題行動を改善する専門家として活動する北村紋義さんこと「ポチパパ」。YouTubeの「保護犬達の楽園」チャンネルで配信した動画は1800本に上り、登録者数は25万人を超える(2023年7月現在)。培ってきたポチパパ流のメソッドのハウツーとアドバイスがまとめられていて、犬のしつけや問題に困っている飼い主さんはもちろん、犬について学びたい初心者にもぴったりの一冊だ。

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暮らしのなかの不具合が問題行動になる

 犬の問題行動は、人間を困らせる行動と定義されているが、犬にとっては当たり前の行動が大半であることを知っているだろうか。「犬と人間と、違う動物同士が共生しようとしているから問題行動になってしまう」と北村さんは話す。

体罰ゼロのポチパパ流 犬のしつけ大全 お困り行動解決編 P171

 生活習慣が異なる者同士が暮らしていればトラブルが起きるのは当然で、犬も困っているのかもしれない。犬を家族の“末っ子”と考え、飼い主さんが“保護者”となってマナーやルールを教えることが不都合の解消につながる。

いたずらとトイレの問題は「環境づくり」で解決へ

 飼い主さんをよく困らせるのは、留守中のいたずらやトイレの問題だ。犬のしつけはほめたり叱ったりすることだと思い込んでいては対処が難しい。これらの日常生活の悩みは、できない・失敗させない「環境づくり」がポイントになる。

 当たり前のようだが部屋を見直そう。いたずらができないように部屋を片づける、ごみ箱を高い位置に設置する。移動できない家具やコードには、犬のしつけ用苦味スプレーを使うのも一案だ。苦味スプレーは犬の鼻先に一吹きし、においを認識させてから使用する。

体罰ゼロのポチパパ流 犬のしつけ大全 お困り行動解決編 P55

 トイレトレーニングをするには部屋全体にトイレシートを敷きつめ、どこで排泄しても失敗しない環境をつくり、排泄したらどんちゃん騒ぎで成功を印象付ける。やがて排泄する場所が絞られてくるのでそこをトイレに決める。

深刻な問題が起きている場合は「関係づくり」から

 日常生活の困りごとが小さいうちに対処すれば解決も早いが、いずれ収まるだろうと放置しているうち手に負えなくなってしまう。何から手をつければいいのかわからない場合は、個々の問題にフォーカスするよりも、まずは犬に安心感を与えるための「信頼関係」から始めるのも手だ。

体罰ゼロのポチパパ流 犬のしつけ大全 お困り行動解決編 P19

 水や食事、散歩などの最低限の世話のみ行い、あとは関わりを持たない。北村さんがすすめるのは「見ざる・聞かざる・言わざる(見ない・かまわない・話しかけない)」の三原則。犬から近づいてきたら声をかけてコミュニケーションをとり、小さな困りごとから対処を。信頼関係づくりはお困り行動の解決だけでなく、互いの幸せな暮らしにつながる一歩となる。

文=金子志緒

(著者プロフィール)
北村紋義
ドッグメンタリスト(問題行動犬専門家)、ドッグスクールポチパパ代表。2012年から犬の愛護活動を始め、とくに難しい凶暴犬、問題行動犬、大型犬、野犬などの保護活動を始める。力や恐怖による服従訓練などは一切行わず、おやつなどのごほうびも使用せず、正面から問題を持つ犬と向き合い、「リハビリトレーニング」という方法で、犬の問題行動を改善している。