「ハリー・ポッター」の世界が楽しめる「スタジオツアー東京」ホグワーツの大広間や魔法省、階段下のハリーの激狭部屋など見どころが多すぎる!
更新日:2023/10/5
いつか自分にもホグワーツから入学許可証が来たら。そんなことを考えたことはないだろうか。
1997年にイギリスで出版された「ハリー・ポッター」シリーズ。25年もの間世界的なベストセラーとして、子供から大人まで読み継がれている大人気ファンタジーである。舞台『ハリー・ポッターと呪いの子』が日本でも上演されるなど、魔法ワールドは今も展開を続けている。
そんな中、練馬区にある遊園地・としまえんの跡地に2023年6月16日(金)に誕生したのが「ワーナー ブラザース スタジオツアー東京 – メイキング・オブ ハリー・ポッター」(以下スタジオツアー東京)である。
本家イギリス・ロンドンの大人気施設がアジアで初めて日本に誕生するということで大変な注目が集まっていた。ハリポタファンのライターが、ハリー・ポッター原作を思い出す見どころを紹介する。
ハリポタの世界に飛び込んだ気分に
そこには、ハリーが夢にも見たことのない、不思議ですばらしい光景が広がっていた。何千というろうそくが空中に浮かび、四つの長テーブルを照らしていた。テーブルには上級生たちが着席し、キラキラ輝く金色のお皿とゴブレットが置いてあった。広間の上座にはもう一つ長テーブルがあって、先生方が座っていた。
ハリー・ポッターと賢者の石 第7章より
全7巻を通して重要な場所となる、ホグワーツの大広間。初めて映画でセットを見た感動を覚えている人も多いのでは? スタジオツアーで大広間に入った瞬間、ハリーと同じ衝撃を感じるだろう。
映画のセットは元々、イギリス・オックスフォード大学のカレッジからインスピレーションを得ている。重厚な装飾の数々、各寮のローブや制服、先生方の衣裳なども展示されていて、目移りしてしまうこと請け合い。
この時点で「このツアーを見て回るのには時間がかかる……」と実感する。オープン以来、ざっと巡るだけでも平均4時間とも言われているスタジオツアー東京だが、実際4時間でも足りなかったほどだ。
名シーンの再現もあちこちに
ライターが特に印象に残ったのが「バックロット」というエリア。映画業界で外に作られるセットのことを指す単語だが、プリベット通りのダーズリー家、「夜の騎士バス」、2巻に登場する空飛ぶ車など、「ああ~!」と歓声を上げてしまうエリアだ。
次の瞬間、三十枚も四十枚もの手紙が、暖炉から雨あられと降ってきた。ダーズリーたちはみんな身をかわしたが、ハリーは飛びついて手紙を捕まえようとした。
ハリー・ポッターと賢者の石 第3章より
スタジオツアー東京では、あちこちで映画の名シーンがマネキンなどで再現されている。ダーズリー家でホグワーツからの手紙が舞う印象的なシーンも再現されていて、思わず手紙を掴みたくなる。
また、冒頭でハリーが暮らす階段下の部屋(物置)も発見。スタジオツアー内で一番小さなセットとのこと。改めて見ると本当に狭くて驚いてしまった……。
「詰めが近い」ロンが急につぶやいた。
「ちょっと待てよ——うーん……」
白のクイーンがのっぺらぼうの顔をロンに向けた。
「やっぱり……」ロンが静かに言った。
「これしか手はない……僕が取られるしか」
ハリー・ポッターと賢者の石 第16章より
第1巻のクライマックス、賢者の石の守りを突破するハリーたち。ロンが得意なチェスで戦い、最後は自分を犠牲にしてハリーを勝たせる、友情を感じる名シーンだ。バックロットでは映画に登場した巨大なチェスの駒も並んでいる。
作り込まれた世界観に目を奪われる
スタジオツアー東京では、本国のスタッフがロンドンから来た上で、セットや小道具を作り上げていて、世界観が見事に再現されている。ちなみに「インタラクター」と呼ばれるスタッフの人がさまざまなこだわりなどを教えてくれるので、ぜひ話しかけてみることをおすすめする。
今すぐ乗りたいホグワーツ特急
ぶつかる――スーッ……おや、まだ走っている……ハリーは目を開けた。
紅色の蒸気機関車が、乗客でごったがえすプラットホームに停車していた。
ハリー・ポッターと賢者の石 第6章より
日本でしか見られない、ホグワーツに向かう赤い特急列車。蒸気を上げている姿は今すぐホグワーツまで連れて行って!という気持ちになる。車両の中は各巻のコンパートメントでハリーたちが過ごした様子が再現されている。
フルスケールセットは世界初!魔法省
ロンのお父さんの職場であり、ハリーが裁判を受けたり、第5巻のクライマックス「神秘部」があったり、と重要な場所のひとつである魔法省。フルスケールセットで登場するのはスタジオツアー東京が初とのことで、圧巻のセットは大迫力だ。
見事な装飾を施した玉座に、魔法使いと魔女の像が座り、足元の暖炉に転がり出てくる魔法省の職員たちを見下ろしている。像の台座には、高さ三十センチほどの文字がいくつか刻み込まれていた。
魔法は力なり
ハリー・ポッターと死の秘宝 第12章より
死喰い人に乗っ取られた魔法省に、ハリーたちは変装して潜り込む。そこでハリーは、6巻など以前にも来たことのある魔法省との違いを実感する。ひときわ目立つ存在として描写されるのが「Magic is Might」(魔法は力なり)と彫られたこの像である。実際に中央にドーンと置かれていて、かなりのインパクト。おどろおどろしさを感じた。
ロンドンでも人気のスポット・ダイアゴン横丁
本家ロンドンのスタジオツアーでも人気だというダイアゴン横丁ももちろん登場。ちなみに、映画ではダイアゴン横丁のセットはホグズミード村にも転用されているのだとか。
「不思議じゃ……不思議じゃ……」
ハリー・ポッターと賢者の石 第5章より
ハリーが「名前を言ってはいけないあの人」の兄弟杖を持つことになったオリバンダーの店もある。入ってみたいが、残念ながらダイアゴン横丁は表通りを歩くだけ。マグルが魔法ワールドの一端に触れられるだけ良いのかもしれない……。
他にもヘドウィグを手に入れたふくろう店、「ウィーズリー・ウィザード・ウィーズ」、グリンゴッツ銀行など、あちこちに気になる場所がある。「漏れ鍋」のレンガを叩いてみるのも忘れずに! なお、ライターはやりそこねて後悔している。
他にもクィディッチ競技場や、スリザリン寮の談話室、ナイトバスや、魔法上への入り口、禁じられた森など、キリがないほどの見どころがたくさんある。原作ファン、映画ファンのみならず、初めてハリー・ポッターの世界に触れる人も、きっと魔法にかけられる、そんな場所だ。
文=宇野なおみ
ワーナー ブラザース スタジオツアー東京 ‐ メイキング・オブ・ハリー・ポッター
所在地:東京都練馬区春日町1-1-7
営業時間 WEBサイトにてご確認ください(季節によって前後します)
チケット料金 大人 6,300 円 中人(中・高生)5,200 円 小人(4 歳~小学生)3,800円
公式WEBサイト(事前予約制)
https://www.wbstudiotour.jp/tickets/
駐車台数、駐車料金 一般駐車場 821台(1台 1,800円・事前予約制)、バス駐車場 50台