人にお願いするときには、仲間であることをアピールすべき!/すぐに実践したくなる すごく使える心理学テクニック
公開日:2023/8/24
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人に助けてもらうためには、「とにかく相手との共通点や類似点をアピールする」のが良いのだそう。その理由は――?
※本作品は『すぐに実践したくなる すごく使える心理学テクニック』(内藤誼人/日本実業出版社)から一部抜粋・編集しました
仲間であることを演出する
私たちは、自分とよく似た人や、自分の仲間のように感じる人のほうを手助けします。だれに対しても親切にふるまうという善人もいないことはないでしょうが、基本的には、相手を選んで援助や親切をするものです。
ですので、人に助けてもらうコツは、とにかく相手との共通点や類似点をアピールして、「私はあなたの仲間なんだよ」ということを伝えることです。
英国ランカスター大学のマーク・レヴィンは、サッカークラブのマンチェスター・ユナイテッドのサポーターを自認する男性35名に集まってもらい、サッカーについてのアンケートを実施しました。「どのチームのファンですか?」「年間にどれくらい試合を見に行きますか?」というアンケートなのですが、アンケート自体はどうでもいいものでした。
本当の実験はアンケート終了後に始まります。簡単なアンケートがすむと、「別の建物に移動してもらって、そこにある大きなスクリーンのある部屋で、サッカーの試合を見てもらう」という名目で、その建物まで移動してもらいました。
ただし、その建物に行く途中に、足をくじいて座っている人がいます。その人を助けるかどうかが本当の実験目的でした。なお、足をくじいて座っている人は、本当は足をくじいていません。彼は、あるときには実験参加者と同じマンチェスター・ユナイテッドのシャツを着ています。別の条件では、普通のシャツ、さらに別の条件では、ライバルのリバプールFCのシャツを着ていました。
実験参加者が足をくじいて座っている人の前を通るとき、「大丈夫ですか?」と声をかけたり、起きるのを助けたりするかを測定すると、上の表のような内訳になりました。
「あ、この人は自分と同じチームのファンだ」というときには、ほとんど100%の人が助けてくれたことがわかりますね。違うシャツを着ていると、手助けしようという気持ちにはならないことも合わせてわかります。
人にお願いするときには、まず相手と自分がどれくらい近い仲間なのかをアピールしましょう。「私も○○さんと同じ出身地なんですよ」などとアピールすると、「よし、じゃあ、助けてやるよ!」と言ってくれる確率は高まります。
<第2回に続く>