相手のメンツを潰さずに指摘する方法とは?/すぐに実践したくなる すごく使える心理学テクニック
公開日:2023/8/25
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面と向かって相手の問題を指摘するのが憚られるとき、どのような工夫をしたら相手にうまく伝わるのでしょうか?
※本作品は『すぐに実践したくなる すごく使える心理学テクニック』(内藤誼人/日本実業出版社)から一部抜粋・編集しました
噂話で人を動かす
同僚の1人が、どうも会社の経費で飲み食いをしているように感じているとします。あるいは、後輩が勤務時間中に、喫茶店でサボっているように感じているとします。こういう行動をやめさせるには、どうすればいいのでしょうか。
面と向かって問題行動を指摘するのは、あまりよい作戦ではありません。なぜなら、人間には「メンツ」というものがあるので、それを潰すようなことをしたら、恨まれるに決まっているからです。
こういうときには、「ゴシップ法」と呼ばれるテクニックを使いましょう。「だれかに聞いた話」として、やんわりと相手のしている行動が問題であることを本人に気づいてもらうのです。これならば、相手のメンツを潰すことはありません。
「うちの会社ってさ、私的な飲み食いをしているのがバレたら、即刻クビだっていう話だぜ」
「数年前、勤務時間中にパチンコをしているのが見つかって、即日解雇された人がいるみたいだよ」
このように世間話を装って、教えてあげるのがゴシップ法です。
相手も、そんなことになるのなら気をつけなければならないなと悟ってくれるでしょうし、行動を改めてくれます。あくまでも他の人の話として聞かせるのがポイントです。そのほうが相手も受け入れやすくなるからです。
カリフォルニア大学のマシュー・フェインバーグは、「Aさんは嫌われている」というゴシップを聞かせると、それを聞いた人たちは、「危ない、危ない、それならAさんのような行動をとらないようにしよう」と気をつけるようになると指摘しています。ゴシップには、人の行動を抑制させる効果があるのです。
夫や妻が、どうも浮気をしているように感じるのなら、「芸能人のだれそれが離婚をして、慰謝料〇〇〇万円だって。人生がぐちゃぐちゃになっちゃうよね~」とゴシップを聞かせるようにしましょう。もし本当に浮気をしているなら、そんなことにならないように浮気をやめてくれるでしょう。
近所で犬を飼っている人が、散歩の途中に犬のウンチを片づけてくれないことに腹が立っているのだとしたら、「うちの町では、犬のウンチを拾わないことって、条例違反で罰則もあるんですってね。マナー違反というより、条例違反になるなんて知らなかった。私もペットを飼うときには気をつけないと……」といった世間話をしてみてください。相手も少しは行動を改めてくれるかもしれませんよ。
<第3回に続く>