高評価と低評価。どちらのレビューを先に読んだ方が好印象を持ちやすい?/すぐに実践したくなる すごく使える心理学テクニック
公開日:2023/8/28
最新の研究に基づいた心理学の“使える”テクニックを解説! 人間関係・仕事・勉強・お金儲け・恋愛・ダイエットなど、日常生活のあらゆるシーンに取り入れられるものばかり。
「〇〇で人を動かす」「〇〇な情報から伝える」「短時間の〇〇は脳を活性化させる」など、心理学の研究に基づいた幅広い知識を一挙公開! 読むだけでもためになり、すぐ試したくなるテクニックが満載です!
ポジティブなことだけではなく、ネガティブな部分も含めて両面を伝えるようにした方が、説得力が高まるそうです。しかし、2つの面を伝える順番は、決して間違ってはならないそうです!
※本作品は『すぐに実践したくなる すごく使える心理学テクニック』(内藤誼人/日本実業出版社)から一部抜粋・編集しました
好ましい情報から伝える
結局は同じ情報を伝えるにしても、最初はできるだけ好ましい情報から伝えたほうがよいですね。最初からネガティブな情報を聞かされると、イヤな気持ちになってしまうからです。
オーストラリアにあるメルボルン大学のブレント・コッカーは、オンラインでのホテルのレビューについての実験をしています。
コッカーは、ポジティブな内容のレビュー、ネガティブな内容のレビューという順番になっているものと、その順番を逆にして、ネガティブなレビューを先に、ポジティブな内容のレビューをあとにしたバージョンのものをつくって、評価を求めてみました。
すると、消費者は、ポジティブな内容が先のレビューを読んだときに、「このホテルはいいホテルだ」と判断することがわかりました。
レビューは順番がとても大切です。
最初に悪いレビューを読むと、私たちはどうしても悪い印象を持ってしまいます。そのあとに、いくら大絶賛しているレビューを読んでも、最初の悪い印象を打ち消すことはできません。
割合からいえば、ポジティブなレビューのほうが圧倒的にたくさんあったとしても、真っ先にネガティブなレビューがきていると、おそらくは悪く評価されるでしょう。ですから、ネガティブなレビューが一番にこないように気をつけなければならないのです。
最近は、どの業界でもオンラインでのレビューを気にするようになりました。消費者は、他の消費者の声を調べてから、購買決定をすることが多いからです。そのため、サクラを雇ってポジティブなレビューを書かせているところもある、という話を聞いたことがあります。
説得技法のひとつに、「両面呈示」と呼ばれるテクニックがあります。
ポジティブなことだけを伝えるより(これを「一面呈示」といいます)、ネガティブなことも含めて、両面を伝えるようにしたほうが、説得力は高まるわけですが、ネガティブなことを含めるといっても、そちらが先では失敗します。
両面呈示をするときには、その順番が重要で、まずはポジティブなことから始めなければならないのです。
八百屋さんでいえば、「徹底的に安さにこだわりました。ただし、不揃いのものや、虫食いのものがあるかもしれません」というアピールなら、お客も納得してくれるでしょう。
ところがこの順番を逆にして、「不揃いや虫食いの野菜です。ただし、安いですよ」では、お客も購入をためらってしまうはずです。
人を説得したいなら、まずはできるだけ好ましいことからスタートすることが大切です。
<第6回に続く>