おじさん入門/絶望ライン工 独身獄中記①
更新日:2024/2/5
気が付けば40歳の独身中年男性である。
いつからそうだった? 思い出せない。
そもそもそんな未来を想像していなかった。
40代の中年になるという将来に対する準備が恐ろしいまでに不十分なまま、なんとなくその域に達する。
何も成し遂げなくとも人は勝手に40歳になるのだから堪える。準備くらいさせてくれ。
いや、準備する時間は大いにあった。ただ見なかったことにして、知らんぷりを続けた結果がこのザマである。
私はとある動画投稿サイトで恥ずかし気もなく顔や身分を晒し、つまるところ自分の人生を自虐的に、時に独りよがりのユーモアでコーティングした世の中への悪意をブレンドし、よくわからない日常的非日常動画を投稿している。
飽きっぽい私にしては珍しく、この悪趣味なイタズラは3年程続いているのだから不思議だ。
その中で私は、40歳の非正規独身中年を演じている。
演じているというか、ほぼそのまんまなんだけど。
しかしながら動画は編集できるので、自分をよりよく見せることが出来る。つまり、装飾です。
ところが実際の自分はそうでもねえ。
まずラーメン屋でめっちゃ飲む。
「おつまみメンマ」とかで5杯くらいビールを飲み、ラーメンに海苔トッピングして白飯と食べます。
卓上に豆板醤とかがあろうものなら、飯に乗っけてかっこむ。
そんな悲しいオッサンになってしまった自分を呪い、哀れみ、そして心から愛しています。
でもたまに思う。
「オッサン、お前を幸せにしてやれなくてゴメン」と。
正確にはオッサンらしく脳内で顔文字をつけて
「オッサン、お前を幸せにしてやれなくてゴメンm(__)m」になるんだけど。
この顔文字がすごく大事なんです(^^;)
自分が自分にしてやれる唯一の償いが、このおじさんがよく使う顔文字だ。
これをLINEとかSNSで使うだけで突然説得力が増す。
自分のおじさん力が上がり、人生の解像度、リアリティが急上昇する気がする。
皆さんもやってみてください。
女性からLINEの返信がない時、「おーい(^^;)」と打つだけですごく満足できる。
若かりし頃、忌み嫌っていた絶望中年男性になったのだと、しみじみ感じます。
そんな感じで40歳は覚悟なく迎えてしまったが、50歳はどうだ、60歳はどうだとアレコレ考えてしまう。
私の夢のひとつに、「おじいちゃんぽいおじいちゃんになる」というのがある。
これは何かというと、「ワシは~~じゃ」という言葉遣いをする爺様になるということです。
いまだにこういった爺様に会ったことがない。
実際は一定数いて、たまたま出会えていないだけなのか、ハナからこの宇宙に実在しないのか。
かのような素敵な爺様になるのが、ワシの老後の夢じゃ。
実現のためには婚姻しファックをして子を産み、その子がまた子を産む必要があります。
その確率たるや、ローマ法王から携帯に間違い電話がかかってくるそれと等しい。
41歳独身男性。工場勤務をしながら日々の有様を配信する。柴犬と暮らす。