ミキ・亜生が5匹の愛猫たちにしている“推しネコ活”を大公開! お世話の仕方や猫の本音が猫目線で学べる新感覚の「猫飼育本」

暮らし

公開日:2023/8/11

保護ネコに幸せにしてもらった僕の推しネコ活
保護ネコに幸せにしてもらった僕の推しネコ活』(ミキ・亜生:著、今泉忠明:監修/主婦の友社)

 猫にはなぜか、人を魅了する力がある。著名人の中にも、猫好きや猫飼いであることを公言している人は多いものだ。お笑いコンビ、ミキの亜生さんも、そのひとり。保護猫と暮らす亜生さんは様々なメディアで、自身の中にある猫愛を存分に語っている。

保護ネコに幸せにしてもらった僕の推しネコ活』(ミキ・亜生:著、今泉忠明:監修/主婦の友社)は、亜生さんの猫ライフに触れながら猫のお世話法が学べるユニークな猫本だ。

 本書では亜生さんの愛猫・助六ちゃんが主人公になり、猫目線で猫の生態や本音、お世話の仕方を紹介。監修は、動物学者の今泉忠明さんが手掛けている。

advertisement

全身全霊をかけて“推しネコ活”をする亜生さんの猫ライフを大公開!

保護ネコに幸せにしてもらった僕の推しネコ活 P128-129

ネコ様にお仕えすることは、僕にとって最大の“推し活”です!塩対応上等、見返りも一切不要ですが、叶うなら「長く幸せに生きていただきたい」「より上質なお世話をするため、ネコ様たちの気持ちが知りたい!!」と願わずにはいられません。

 そんな熱い猫愛を持つ亜生さん宅で暮らすのは、毛色も個性も様々な5匹の保護猫たち。

 本書の主人公である助六ちゃんと出会ったのは、2015年のこと。蒸し暑い夏の夜、亜生さんは壁の隙間で鳴いていた助六ちゃんを保護。獣医師からは、「半分の確率で死ぬかもしれない」と言われるほど衰弱していたが、命を取りとめ、大きく成長してくれた。

 そうした愛猫たちとの忘れられない出会いを亜生さんは写真も交えながら、詳しく紹介。

保護ネコに幸せにしてもらった僕の推しネコ活 P14-15

 亜生さんと猫たちとの月日に、自分と愛猫のこれまでを重ね、胸が熱くなる猫飼いはきっと多いことだろう。

 実は亜生さん、懐かないというイメージから、もともとは猫が苦手だったそう。だが、学生時代にバイト先の遊園地で出会った人懐っこい茶トラを保護したことで猫に抱くイメージが変わり、猫好きに。

 当時、住んでいた家の周辺には捨て猫や未去勢の野良猫が多かったため、深夜、頭に懐中電灯をつけて保護猫活動をするようにもなったという。

 本書内で亜生さんは愛猫・丹猛ちゃんに猫エイズキャリアの可能性があった時の話や助六ちゃんがてんかんを発症して戸惑った時のエピソードなども、赤裸々に告白。そうした話に触れると、予期せぬ事態に備えられるよう、飼い主が知識を身に着け、愛猫の暮らしを守っていくことの大切さを痛感させられる。

 また、個人的に心に深く刺さったのが、愛猫の老いに対する亜生さんの考え方だ。

なんなら、ボケるまで長生きしてほしい。ウチのネコ様方はボケても絶対に可愛いし、介護だって喜んでやらせていただきたい!

 一緒に暮らす中で愛猫の老いを感じると、不安が募るもの。だが、亜生さんのように明るくポジティブに老いを捉えられたら、愛猫も安心して老いることができそうだ。

「ネコ様」という呼称や敬語が多発する本書は、愛猫との向き合い方も考えさせられる温かい一冊。猫の過ごしやすさにこだわった、亜生さん宅の間取りも公開されているので、そちらも参考にしてみてほしい。

猫の本音やお世話の仕方を猫目線で解説!

 亜生さんのように猫と一緒に暮らしたくても何をすればいいのか分からず、二の足を踏んでいる方は少なくないはず。本書では、そんな時にも参考にできるよう、年齢別のお世話法が紹介されていて心強い。

保護ネコに幸せにしてもらった僕の推しネコ活 P32-33

 猫飼い初心者が悩みやすいフードの選び方やトイレの教え方、くつろげる寝床作りのポイントなどもイラストを用いて、助六ちゃん目線で解説されているので、タメになる。

保護ネコに幸せにしてもらった僕の推しネコ活 P39

保護ネコに幸せにしてもらった僕の推しネコ活 P40

 一般的な飼育本よりも解説の言葉が堅苦しくないため、普段、あまり本を読まない方でも手に取りやすいはずだ。

 また、助六ちゃんの心地よい関西弁で明かされる「猫の本音」は笑いと驚きをもたらす。中でも目からウロコだったのが、行動や寝姿がきょうだい猫とシンクロする理由だ。

 助六ちゃんいわく、猫には他猫の行動を真似しながら生き方を覚える習性があるよう。そのため、仲間やきょうだいと同じ行動をしたくなるのだという。

 また、寝姿に関しては同じ環境で寝ていると、勝手に似てくるという説があり、飼い主のことが大好きな猫は人間とも行動が似るのだとか。

保護ネコに幸せにしてもらった僕の推しネコ活 P123

 我が家の愛猫が自由奔放な寝相なのは、もしかしたら自分の寝相の悪さが関係しているのかも…? そうギクっとしたのは、きっと筆者だけではないはずだ。

 助六ちゃんは他にも、猫が鏡を見ても無反応な理由や首をかしげる理由など、全60の質問に回答。本書を手にとれば、今よりもっと愛猫の気持ちが知れ、猫がより愛しくなるだろう。

文=古川諭香

ミキ・亜生(あせい)

1988年7月22日生まれ、京都府出身。2012年4月、兄・昴生とお笑いコンビ「ミキ」を結成。みずから“ホゴの亜生”と名乗り「捨てネコがいる」と聞けば、可能な限り駆けつけ引き取り先を探す。現在飼っているのは、助六、銀次郎、藤、兆猛、丹猛の5匹。SNSでは愛猫だけでなく、里親を募集している保護団体の紹介や保護ネコ活動にまつわるニュースをシェアするなど精力的に活動している。
X(旧Twitter):@oshinekokatsu(https://twitter.com/oshinekokatsu