夏休みの自由研究に使える!STEAM教育で重要になる「仮説をたてる・検証する」習慣を身につけてもらえる『わくわく科学実験図鑑』
公開日:2023/8/17
毎年、親にとっても夏休みの一大事なのが子どもの宿題。特に自由研究・自由工作は“自由”というだけあってやる気のない子のお尻をたたくのも、やる気がありすぎて収拾がつかなくなっている子の道筋を立てるのも、それぞれ違った苦労があります。我が家の工作大好き小学校一年生・長男は完全に後者。夏休み前から「あれやりたい!」と手を出しては中途半端。「これもやる!」と言い出して、このままでは家の中が彼の実験道具&作品だらけになってしまう……。そう思った時に見つけたのが『おうちでSTEAM教育 「なぜ?」「どうして?」がよくわかる わくわく科学実験図鑑 工作編』(クリスティーナ・ハーカート・シュール:著、岩田佳代子:翻訳/ディスカヴァー・トゥエンティワン)です。本書は、小学生が親子でできる工作とその工作物を使った実験を紹介するもの。どの工作と実験にも、近年注目されているSTEAM教育の要素が含まれています。
今回は小学生の長男と4歳の次男がそれぞれ自分のやりたい実験をセレクト。長男は「輪ゴムギター」(難易度:かんたん)、次男は「工作用スティックでつくるトラス橋」(難易度:むずかしい)をやってみることになりました。
実は将来の夢が“科学者”な長男。実験前に本書のパート1「工学者のつもりで考えよう」を読んでもらいました。子どもにとって、科学者よりなじみのない言葉である“工学者”とは何をしている人なのか、工学者になるにはどんな知識が必要なのか、などがパート1には載っています。長男は「失敗からもたくさんのことが学べる」という部分に感心したようでした。
私が最初に読んでおいてよかったと思ったのは、「取り組む実験を決めたら、そのページに書いてあることを最初によく読む」という部分。実は工作が苦手。何か機械を買った時も説明書を読まないタイプなのですが、最初に工程を全部読んでおけば、全体像をイメージできるんだな……ということに今更ながら気づきました。
まずは長男の「輪ゴムギター」から挑戦!
ティッシュケースとアルミホイルの芯、輪ゴムなどでギターを作るという実験。ティッシュケースに芯を挿すために芯と同じ大きさの穴を開ける、という部分にはかなり苦戦し、手伝いましたが、他はひとりで行えました。(※グルーガンは熱くなって危険なので大人と一緒に行いました)。この実験は「振動」と音の関係を調べるもの。弦となった輪ゴムをただ弾いた時と、途中で輪ゴムを押さえて弾いた時とでは音が違うのか。輪ゴムの太さを変えてみるとどうなるか、などを調べます。振動が速くなると音が高くなる、ということを自分で作った楽器で試せるのは、子ども心にとても楽しかったようです。
続いて次男の「工作用スティックでつくるトラス橋」。トラスとは三角形をつらねた形のこと。これは難易度がかんたん・ふつう・むずかしいの3つに分かれている本書の中でも最難関のむずかしい、しかも所要時間も45分とかなり長い方。工作用スティックをグルーガンで貼り付けながら橋を作っていくのですが、4歳相手だとグルーガンはほぼ親の作業になるため、次男には色を塗ってもらうことに。長男にも手伝ってもらい、飽きる次男をなだめつつどうにか完成しました……!
結局かかった時間は1時間。しかしこれは次男の色塗り待ちの時間がかかったこと、私が買った工作用スティックの長さが本書の想定より大きかったため、横に架けるスティックの分、橋の下の部分に使うスティックがより多く必要になってしまったことなどで所要時間をオーバーしたものと考えられます。
この橋でできる実験は、三角形は三辺に等しく力が分散されるため強度が高い、ということを確かめるもの。完成した橋にいろいろなものを載せてみます。橋の幅に入る重いものがあまりなかったのですが、ふたりはとっても喜んでいました…! しっかり強度を確かめるためには、あらかじめ小さくて重いものを用意しておいた方がいいなと感じました。
本書には他にもマシュマロとつまようじがあればできる「つまようじタワー」や電動歯ブラシを使った「落書きロボット」など楽しそうな実験がたくさん。さらには実験記録をまとめてそのまま提出できる自由研究シートもついているので、今からでも十分間に合います。
自由研究にも、そして夏休み後もきっと楽しめる本書。ぜひ子どもと一緒にいろいろな実験をしてみてください。
文=原智香