「旅人」にかくされた意味

　途中から気がついたひともいるでしょうが、〝オレ〟は人間ではありませんでした。

　宅配便に出された、あるモノだったのです。旅用の服というのは配達用のダンボール箱のこと、いちばん最初にオレが半日待つことになった、商品がたくさんあったところというのは、宅配便を受けつけてくれるコンビニエンスストアだったのでした。

　さて、まな板にのせられたオレの運命ですが……。

　やはり、包丁で真っ二つにされてしまいました。そして、こう言われたのです。

「まぁ、なんておいしそうなカボチャでしょう」

　旅人の正体がひとでないことには、早い段階で気づいていたひとも多いかと思います。でも、冒頭の「緑の丸いからだ」というところで、ひょっとしてカボチャ……？　と、気づいたひとはすごいですね。

本作品をAmazon（電子）で読む　＞

本作品をebookjapanで読む　＞

本作品をコミックシーモアで読む　＞

本作品をBOOK☆WALKERで読む　＞