デキる猫・諭吉が作るおいしそうな「諭吉ごはん」を収録! 2023夏アニメも好評のコミック『デキる猫は今日も憂鬱』の公式レシピ集【作ってみた】

暮らし

公開日:2023/8/28

諭吉ごはん
デキる猫は今日も憂鬱 公式レシピBOOK 諭吉ごはん』(諭吉:著、山田ヒツジ:絵/講談社)

 ひとり暮らしで仕事に追われていると、気づけば家の中が散らかり放題、食事もコンビニやお惣菜に頼りがちになり、ふと冷蔵庫を開ければ食材は賞味期限切れ……なんてことも少なくない。誰にも文句を言われないひとり身だから許されることだが、寝て起きたら全部片付いていて、おいしいごはんが完成していたら……と妄想してしまう人も多いのではなかろうか。

『デキる猫は今日も憂鬱』(山田ヒツジ/講談社)は、生活能力が壊滅的な28歳女性・福澤幸来(ふくざわさく)と、料理、掃除、洗濯と何でもこなす家事万能な巨大猫・諭吉(ゆきち)の日常コメディー。2023年夏アニメで放送されており、「私も諭吉をモフりたい!」「うちにもほしい!」と人気を得ている。

 また、作中で諭吉が作るおいしそうなごはんにも注目が集まっており、2022年6月に発売されたレシピ本『デキる猫は今日も憂鬱 公式レシピBOOK 諭吉ごはん』(諭吉:著、山田ヒツジ:絵/講談社)も再び話題となっている。

 残念ながら諭吉を召喚して作ってもらうことはできないが、私もストーリーに思いを馳せつつ、幸来が味わっている諭吉ごはんを食べてみたいと思い、実際に作ってみることにした。

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「枝豆とチーズのパリパリ揚げ」

諭吉ごはん

 1つめは、諭吉が深夜に作ってくれた「枝豆とチーズのパリパリ揚げ」。皮をむいた枝豆と角切りにしたプロセスチーズを餃子の皮で包み、フライパンで揚げ焼きしたもの。作り方自体は簡単だが、ビールのつまみとして即席でこれを思いつく諭吉のレベルの高さに驚く。チーズの塩気と枝豆のほっくり感、餃子の皮のパリパリとした食感は相性抜群だ。

「プレーンTKG」

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 2つめは、料理を教えてほしいとねだる幸来に諭吉が作らせた「プレーンTKG」。見た通り、熱々のごはんに卵を割り入れ、薬味としてねぎを散らしただけのシンプルなもの――なのだが、幸来は卵の殻の割り方が分からず大失敗。殻を大量に入れてしまう。その後諭吉が殻を取り除くも、今度は醤油を入れ過ぎて――。

諭吉ごはん

 本書や作中で詳細が描かれていないが、失敗した卵かけごはんはその後諭吉が雑炊にしてくれたそうなので、筆者もだし汁を足して雑炊にしてみた。ドバドバとかけられていた醤油の量はさすがに調整したが、卵かけごはんを雑炊にしてしまう発想力に脱帽。食べ物を無駄にしない諭吉は偉い。

「サンドイッチ弁当」

諭吉ごはん

 最後は、会社の上司である織塚部長と水族館へ行くことになった幸来のために、諭吉が作ってくれた「サンドイッチ弁当」。サンドイッチは、サンドイッチ用食パンにマスタードを混ぜたマヨネーズを塗り、レタス、スライスチーズ、トマト、茹でて割いたささみをマヨネーズと塩コショウで和えたものを挟んだもの。付け合わせの芋もちは、茹でて潰したじゃがいもに片栗粉と塩を混ぜて成形し、180℃の油で揚げれば完成だ。

 野菜たっぷりな中、チーズの塩気とマスタードが全体の味をうまくまとめ上げている。ちなみにアニメでは、芋もちはぶどうに置き換わっておりサンドイッチも2種類になっているが、レシピ本を優先した。季節的にいちごが入手できず、りんごになったのは許してほしい。

 諭吉は、普段はクールでツンツンしているが、本当は仔猫の頃に凍死寸前だった自分を拾ってくれた幸来を大切に思っている。もちろん、普段は甘えっぱなしの幸来も諭吉のことが大好きだ。その愛情が、反応や仕草、表情からひしひしと伝わってきて、見ているこちらまで心が温かくなる。諭吉は今でこそ家事も料理もすっかり一人前だが、実は最初からできたわけではない。幸来のために、イチから勉強して覚えたのだ。レシピ本の巻頭には、幸来と諭吉の出会いのシーンもまとめられている。

 2023年8月下旬の時点でアニメは折り返し地点。まだまだおいしそうな諭吉ごはんが登場することだろう。いったいどんな料理が登場するのか、どんな展開が待っているのか、そして本書の料理はいくつ登場するのか、引き続き注目したい。

調理、文=月乃雫