『鵼の碑』(京極夏彦/講談社)第3回【全4回】
「この世には不思議なことなど何もないのだよ」憑き物落としを行う古書肆・中禅寺秋彦が活躍する京極夏彦氏の「百鬼夜行」シリーズ最新作『鵼の碑』が発売。殺人の記憶を持つ娘に惑わされる劇作家、失踪した婚約者を探してほしいという依頼に奔走する探偵。さらに消えた三つの他殺体を追う刑事、そして古文書を調べる学僧と古書肆。物悲しく鵼の啼き声が響く日光で、謎は複雑に絡み合う。時代と過去の因縁が生み出す“化け物の幽霊”を、古書肆は祓うことができるのか。同シリーズの前作『邪魅の雫』の巻末でそのタイトルが発表されてから17年、待望の新作が登場です。