SNS総フォロワー36万超! 4人男児子育て中のママ芸人・竹田こもちこんぶが「大変さを超える笑える子育ての日々」を語る

暮らし

公開日:2023/9/15

皆様、本日も家事育児お疲れ様です。
『皆様、本日も家事育児お疲れ様です。』(竹田こもちこんぶ/KADOKAWA)

「本日も家事育児お疲れさまです」という決めゼリフとともに、子育てあるあるネタをTikTokやInstagramで発信する4児のママ(+そろそろ5人目を出産予定)であり芸人としても活躍する、竹田こもちこんぶさん。周りにあふれるキラキラしたSNSの投稿の中で、一切飾りのない、ガチでリアルな育児あるあるネタが、多くの母親たちの共感を呼んでいる。

 朝4時に起きて、夜9時過ぎには気を失ったように4人の男児と一緒に寝落ちしてしまうほど、目まぐるしい生活を送る彼女は、それでも隙を見つけて自宅でネタを制作し、動画撮影をする。そんな彼女がこれまで動画にアップしてきたネタのほか、子どもたちとの日々を『皆様、本日も家事育児お疲れ様です。』(KADOKAWA)というエッセイとして上梓した。本書の内容は「すべての母にささげる応援歌」という彼女に話を聞いた。

取材・文=知野美紀子 撮影=後藤利江

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■ママ友の存在が本を出すきっかけにも、人生を変えるきっかけにもなった

ママ友の存在が本を出すきっかけにも、人生を変えるきっかけにもなった

——4人の男の子を育てつつ、そろそろ5人目の男の子も出産予定ということで、猫の手を借りたいほどの忙しさであることは想像に難くないのですが、そんなタイミングの中で1冊書き下ろすのは大変だったのではないでしょうか?

竹田こもちこんぶ(以下、こもちこんぶ):ママ友たちに「本当に自分で書いたの!?」って聞かれたくらいですから。普段でもちょっと外遊びの時間が長くなったりすると、その後のスケジュールが総崩れするほど時間がないのですが、執筆中はいつも通り朝4時に起床して、長男が起きる6時までの2時間で書いていました。でもこの貴重な時間にさらに下の2人の息子が起きてくることも多々あって、毎日ドキドキしながら書いていました。

 朝、書ききれなかった時は平日子どもがお昼寝をしているときの1時間から2時間、それでも締め切りが間に合わなくなってきた時は日曜日の午前中に夫に子どもの面倒を見てもらいながら、近所のハンバーガーショップで書いていました。

毎日ドキドキしながら書いていました

——ハンバーガーショップといえば、本の中でも書かれていた“家出先”として出てくるお店ですか?

こもちこんぶ:そうです。私が子育てで大変なときに、飲みにいくとLINEをしてきた夫に腹を立てて乳飲み子の長男を抱えて家出したあの店です(笑)。いつまで経っても私の避難所なんですかね。

 でも、こうやって本を書くことになったそもそものきっかけはママ友なんです。私のTikTokをきっかけに編集の方が出版をしないかと声をかけてくださったのですが、「TikTokをやったら?」とか「Instagramでも発信しなよ」ってアドバイスをくれたのはママ友なんです。彼女たちの言葉がなければ、TikTokでバズることもなかっただろうし、本を出版することもなかったかもしれません。

——本を読むと、ママ友の存在がこもちこんぶさんにとっては随分と大きいように感じました。

こもちこんぶ:そうですね。メディアでは“ママ友の対立”みたいな構図がよく取り上げられていますが、私はママ友がいるから子育てがどうにかできていると思っています。夫ももちろん子育てに協力はしてくれますが、私が子育てで感じている大変さや悩み、それに日常の小さな喜びを“共感”するまでは難しいと思うんです。同じ立場で同じように苦労も楽しさも体験しているママ同士だから分かり合えるし、励まされることっていっぱいあるんですよ。ママ友という存在が私の人生にできたことは、私が子育てで得た大きなごほうびです。

■メディアで流れる「子育ては大変」っていうのはすべてじゃない

メディアで流れる「子育ては大変」っていうのはすべてじゃない

——ママ友の対立と並んで、子育ての大変さみたいなものもメディアではクローズアップされがちですよね。

こもちこんぶ:私が子育てをネタに芸人として仕事をしているのも、「子育ては大変なだけじゃない!」っていうことを伝えたかったというのがあります。子どもを育てているとご飯は子どもの残り物ばっかり食べているし、思いもよらぬタイミングで急に便意を催すのでトイレ探しに奔走するし、スーパーで大声で泣かれて白い目で見られるなど、大変なことをあげたらキリがない。でも、子どもと一緒にいるから発見できる面白いことも楽しいことも、幸せもたくさんあるんです。メディアに踊らされて、それを見逃してしまうのはあまりにももったいないなって。

 これから結婚をして、子どもを作ろうと思っている人が、ネガティブなニュースばかり聞いていたら子どもを産むことを躊躇してしまうような気がします。でも、子育てを通して私自身も人見知りを脱却してママ友を作ることができたし、周囲の見知らぬ人にたくさん手を差し伸べてもらいました。大変な時間の中にもそういう幸せを感じることがたくさんあることを知ったから、私も気がつけば5人目を産むまでになったんです。

——こもちこんぶさんが感じる子育ての醍醐味ってなんですか?

こもちこんぶさんが感じる子育ての醍醐味ってなんですか?

こもちこんぶ:実は1人目を産んだ時は出産も大変だったし「もういいかな…」って思ったんです。でも、「兄弟いいですよ」って旅先で知り合ったお母さんに言われて、気がつけば2人、3人…と産んでいました(笑)。4人兄弟で密着しながら一緒に遊んでいる姿を見ると、心から幸せだなって思います。些細なことですよね(笑)。でも、この風景を見ると、心から子どもを産んで育ててよかったと思うんです。

 でも、幸せを感じながらも自分の時間が欲しいなって思う自分もいます。だって夏休みとかの長期休みになると、4人の子どもが全員1つの部屋にいるんですよ! しかも矢継ぎ早にに「ママお茶飲みたい」「ねぇ、これ見て」「お兄ちゃんがおもちゃ貸してくれない」とか一気に話しかけてくる。さらに、学校がある時は末っ子がお昼寝をしているときに自由の時間を満喫できるのですが、休み期間中は上の子たちはお昼寝をしないので、途中充電なしでフルパワーで1日活動しなくちゃいけないんですよね。

 こうやって話すと「やっぱり大変…」と思われるかもしれないですが、これらを帳消しにしてくれる爆笑や幸せがあるんです。今回の本を通してそういうことが少しでも皆さんにおもしろく伝わればいいかなと思っています。

■こどもと一緒に成長しながらお母さんになっていく

こどもと一緒に成長しながらお母さんになっていく

——こもちこんぶさんは芸人でありながら、母親業もこなしているわけですが、オンライン上での活動のほか、「R-1グランプリ」に出場したりなどオフラインでの活動も考えると、子どもを抱えながら芸人活動をするのは負担になったことも多いのではないでしょうか?

こもちこんぶ:子育ての大変さは1人で抱えるには荷が重すぎると思います。私は幸い芸人だったからこそ、子どものハプニングを“ネタ”にすることで心の負担を減らしていると思います。子どもがなにかやらかしたら「こらっ!」と言いながらも「ネタができた」とほくそ笑んでいる自分もいますから。

 そろそろ5人目の子どもが生まれますが、また男の子なんです。今まで以上に賑やかでハプニングも増えるでしょうし、私自身もパニックになることもあると思うのですが、一方でそれをどれだけネタにできるかなっていう楽しみはあります。

——こもちこんぶさんは、もともとそのようにポジティブに考えられる人だったのですか?

こもちこんぶ:そんなことはないです。甲状腺の病気になって外を歩くのも憂鬱な時もあったし、結婚して子どもを産んだのも舞台女優として挫折をしたのがきっかけのひとつでした。でも、不思議と子どもを育てて産むたびに、子育てにのめり込んでいったんです。

 とはいえ、子どもを産んだからって、すぐにお母さんになれたわけではないです。子どもと一緒にたくさんのことを経験したり、失敗しながら、私も徐々にお母さんになって、「まぁなんとかなるかな」ってポジティブに思えるようになりました。これは周囲の人の存在も大きかったように思います。ママ友や夫、近所のおじさんおばさんがかけてくれたちょっとした言葉にどれだけ支えられたか。もし今、子育てて大変だなって思う人がいたら、「助けてもらえませんか」と声を上げてみてもいいんだよって伝えたい。ニュースなどで聞く以上に、周りの人は手を差し伸べてくれますから。

 そういう社会の優しさに気がつけたことも、子育てをしているからだと思います。大人が子どもに手取り足取り教える以上に、子どもや、子どもの生活から教わることが多いし、毎日笑いを届けてくれる。私のドタバタな毎日の話を子どもがお昼寝をしたちょっとした時間などに読んでもらい、「子育てって楽しいよね」って思ってくれたら、なによりうれしいです。

「子育てって楽しいよね」って思ってくれたら、なによりうれしいです