元サッカー日本代表・中村俊輔さん推薦! 不調の原因となる体のゆがみをケアする10秒エクササイズ
公開日:2023/9/27
どれだけ寝ても体の疲れがとれない。首コリや肩コリに悩まされている……。そんな体の不調は「年齢のせいだから仕方がない」と諦めてしまいがちだ。しかし、もしかしたらその悩みを解決するヒントは体のゆがみにあるかもしれない。
そんな気づきをくれるのは、『疲労がふっ飛ぶ!10秒ゆがみリカバリー』(久保田武晴/自由国民社)。著者の久保田武晴氏は日本スポーツ協会公認アスレティックトレーナーで、25年にわたってJリーグやサッカー日本代表チームのトレーナーを務めるなど、多くのアスリートのコンディションとケガの治療を担ってきた。
そんななかで、ケガや痛みの多くが“体のゆがみ”から引き起こされていることを発見し、独自の「ゆがみ矯正メソッド」を開発した。
本書は元プロサッカー選手の中村俊輔氏も推薦している一冊。体のゆがみを解消する手軽なエクササイズを紹介している。
日常生活で左右非対称に体を使っていることが「ゆがみの原因」に
著者いわく、体がゆがむのは日常生活の中で左右非対称に体を使っているからなのだそう。「体がゆがむ」と聞くと、骨が変形しているようなイメージを持つ人もいるかもしれないが、ゆがんだり、ねじれを起こしたりしているのは筋肉だ。
同じような動作を長時間あるいは繰り返し行うと、筋肉は疲労により緊張して硬くなる。一方で、あまり使われない筋肉は緊張が弱まり、緩む。そのため体の片側ばかり酷使しているとそちら側の筋肉だけが硬くなり、反対側は緩むというアンバランスな状態となり、筋肉は硬く縮こまったほうへと引っ張られていく。
すると、腱という組織で筋肉と繋がっている骨もつられて引っ張られ、体が左右対称ではなくなるのだとか。これが「体がゆがむ」ことの正体なのだ。
著者によれば、体のゆがみには「前後のゆがみ」と「左右のゆがみ」の2種類があるそう。前後のゆがみとは、脊柱(背骨)のラインが崩れた状態のこと。猫背や巻き肩、ストレートネックや反り腰は、こちらのタイプだ。
対して左右のゆがみは、骨盤や肋骨、足、膝が左右非対称にゆがんだ状態。肩こりや腰痛をはじめとした、様々な不調の原因になるそうだ。
体のゆがみによって引き起こされた症状は体をほぐせばある程度は改善するものの、痛みのもとであるゆがみを治さない限りすぐに再発してしまうという。また、体のどこかがゆがんで本来の働きができなくなると、無意識のうちに別の部分で代用しようとして無理な体の使い方をし、ケガに繋がるケースもあるそうだ。
サッカーを中心に、体を左右非対称に使うスポーツのトレーナーを務めてきた著者だからこそ辿り着いた「ゆがみの恐ろしさ」は目から鱗。本書では日常のどんな動作が体をゆがませるのかも紹介しているのでそちらも要チェックだ。
自分のゆがみをチェックして自分に合ったエクササイズを
本書にはゆがみの有無や、その度合いを確認できる9種類のチェック法を収録。例えば、チェック法のひとつ「足を上げて左右差を見る」では骨盤のゆがみを知ることができる。やり方は簡単で、椅子に座った状態で片足ずつゆっくり上げ、膝がどこまで上がるかを確認する。
左右どちらも同じくらいの高さまで上がれば問題なしだが、横にした手の平くらいでも差があるなら骨盤が傾いているサイン。ゆがみの大きさは左右差に比例するので、こぶしひとつ分以上違う場合は要注意だと思ったほうがよいとのこと。
なお、このチェックでは足を高く上げられたほうの骨盤が後傾しているのだそう。
こうしたチェック法で自分のゆがみを理解したら、その部位に効く「ゆがみリカバリーエクササイズ」にチャレンジ。このエクササイズは1回約10秒ででき、手軽だ。
チェック法で骨盤の後傾が判明した人におすすめなのが、「足上げ抵抗」。椅子に座って「上がりやすいほうの足」の腿に両手を置き、力を入れて押さえながら足を上げていく。
上げられるところまで上げたら10秒キープ。この抵抗運動により後傾していた骨盤を正常な位置に戻すことができるのだという。
他にも、複数のゆがみがあることが分かった人に向けた「全身に効くエクササイズ」や、ゆがみの有無や度合いをチェックしつつ、リカバリーもできる便利な「チェック兼エクササイズ」も紹介する。常に疲れが取れないという人は、自分の体にゆがみがあることを知ってそれに合わせたリカバリー法を試してみてほしい。
文=古川諭香