辛い時にマイナスな発言はご法度!? 這い上がった著者に学ぶ「逆境」の乗り越え方

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公開日:2023/9/27

壁の乗り越え方 今、どん底のあなたを救う処方箋
壁の乗り越え方 今、どん底のあなたを救う処方箋』(さとうりゅうとう/みらいパブリッシング)

 今、あなたは「どん底」にいるか。人生でもし「壁」にぶつかっているなら、書籍『壁の乗り越え方 今、どん底のあなたを救う処方箋』(さとうりゅうとう/みらいパブリッシング)を読んでほしい。

 かつて、「コンプレックスの塊」であったと回想する著者は若くして起業し、どん底から何度も這い上がる人生を歩んできた。人の時間は「24時間365日」でみな平等。だからこそ「時間の使い方」を考えながら、生き方を見直すのが大切になる。

発するなら「マイナス」より「プラス」の言葉

 今使っている言葉が「この先の人生」を作る。辛ければ弱音を吐きたくなるし、理不尽だと思えば愚痴の一つも言いたくなるが、著者はそんなときにこそ「プラスの言葉」を口にするべきと主張する。

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 人の「脳はその言葉が誰に向けて言ったのかを理解できない」とは驚きだが、これはすなわち「マイナスな言葉ばかり口にしていたら、すべて自分に言い続けているのと変わらない」ことを意味する。であれば、プラスの言葉を使うべきだという。

 著者はかつて「若いスタッフの死」で「不安神経症」にさいなまれたとき、「夜寝る前と朝起きた直後、頭の中にプラスの言葉を入れる」という方法で前向きな気持ちを取り戻した。

 言葉はやはり重要で「いまこの瞬間は、すべて自分の言葉や行いの積み重ね」であるとの教えは、どん底にいる人たちの背中を押してくれるだろう。

誰もが出くわす「最悪の状況」は成功のために必要

 思い描いていた現実と異なり、絶望に打ちひしがれるときもある。会社を退職して起業しようと思った著者は、27歳で「厳しい現実」に直面した。

 かつて商売をしていた父が残した「数千万円に上る借金」を返済するべく、銀行や信用金庫での金策に走ったが、会社員を辞めたばかりの著者には信用がなく、どこからも融資を得られなかった。

 しかし、「俺は一生、貧乏のままだ」とうなだれる著者は一転、「負けるもんか」と奮起して新規事業を立ち上げようと決断。28歳で起業して、その直後に結婚した。

 打ちのめされても「負けるもんか」と這い上がる。誰しもありうる「最悪な状況」は「ステップアップしていくために必要な経験」とする著者の「本気の行動力と覚悟があれば、いずれ何か成功できる」という言葉は、強い説得力を持つ。

 紹介した内容はどん底を抜けるための初歩で、本書では目標達成のための「4ステップ」や、「チャンス」に対する心がまえなども取り上げている。逆境を糧にして、突き進んできた著者の生き方は、今すぐにでも見習いたくなるものばかりだ。

文=カネコシュウヘイ