『ウサギとカメ』あらすじ紹介。わかりきった勝負でも、この世に絶対はない!
公開日:2023/10/2
幼少時代、「もしもしかめよ、かめさんよ」のリズムに乗せてけん玉をしたことはないでしょうか? 油断や慢心を戒める数ある寓話のなかでも、特に『ウサギとカメ』は日本で広く知られており、童謡にもなっています。誰もが一度は聞き覚えがあるであろう本作のあらすじを、あらためて一緒に思い出してみましょう。
<第38回に続く>
『ウサギとカメ』の作品解説
本作は、海外との貿易が盛んになった室町時代後期以降、宣教師などを通じて日本に伝わりました。原型は江戸時代初期に翻訳された『伊曾保物語』、つまり現代で言うところの『イソップ童話』のひとつであるとされています。『イソップ童話』は紀元前6世紀頃のギリシャ、寓話で身を立てたアイソーポスという名の奴隷が起源との説もあり、元をたどれば相当に歴史あるお話といえるでしょう。
明治時代、『油断大敵』と題して初等教育の教科書に採用されてからは、教訓を含んだ昔話としてごく一般的に知られるようになりました。
『ウサギとカメ』の主な登場人物
ウサギ:足の速いウサギ。
カメ:のろまだが真面目なカメ。
『ウサギとカメ』のあらすじ
ある日、ウサギとカメのあいだでどちらが足が速いか言い争いになりました。ふたりは山のてっぺんまで競走をすることになり、あっという間にウサギはカメが見えなくなるぐらいまで引き離します。勝ちを確信したウサギが昼寝をしている間に、カメはゆっくりながら休まずに歩き続けました。
ウサギが寝過ごしたことに気付いた頃には、時すでに遅し。今まさに山のてっぺんにたどり着こうとするカメは「ぼくの勝ちだ」と高らかに勝利宣言をするのでした。
『ウサギとカメ』の教訓・感想
ウサギのように相手を見くびって油断すると負けてしまう(油断大敵)ということ以外にも、決して諦めることなく進み続けたカメを勝者とすることで、諦めずに物事をコツコツと進めることの美徳を読み手に伝えているように感じます。