読書の秋は児童書&子ども向け実用書を読もう!
公開日:2023/10/11
「スポーツの秋」「芸術の秋」「行楽の秋」。雲ひとつない秋晴れの空を見ると、どこか出かけたい気持ちになる人も多いことでしょう。その反面「秋台風」「秋梅雨」「秋の長雨」など、一度雨が降ると、長く続くことが多いのも秋の特徴です。雨が続いて、外に出る機会が減ってしまう。そんなときは、ちょっと長めの物語を読むチャンス! 今まで読んでこなかったジャンルに挑戦してみるのも良いですし、買ったままになっている積読本を読み崩してみるのも面白いですよね。
「うちの子、雨の日はずっと動画ばかりで、本を読んでくれない……」そんな悩みを持つご家庭は、まず「一緒に本を読まない?」と声をかけてみるところからはじめてみるのはどうでしょう? パパやママが率先して本を読む姿勢を見せれば、子どもも「本って面白いのかも」と興味を持ってくれる可能性は高くなります。例えば、1日15~30分、電子機器を触らない読書時間を作って、家族みんなで「読書の秋」を体験してみるのも、本を身近に感じる一歩となるはず。今年、読書の秋デビューをする皆さんにおすすめの児童書・子ども向け実用書をご紹介します。
11月3日に「魔法の文学館」開館決定! はじめて角野栄子さんの作品に触れるお子さんにピッタリの幼年童話『ねこぜ山どうぶつ園』
ねこぜ山どうぶつ園
著:角野栄子 絵:よしむらめぐ
出版社からの内容紹介
カバのオシリちゃんに、もんくをいってきたのは? カメのメカじいさんに赤ちゃんができた? リリー園長のゆめに出てきたものは!?
ちょっとふしぎな どうぶつ園のお話
カバのオシリちゃんなど個性豊かな動物たちと、ちょっとふしぎな影むくむくさんのいる動物園の物語。角野栄子が贈る幼年童話。
山のふもとにある小さな「まちの動物病院」は、夜になると飼い猫・とらまるが診察する『やまの動物病院』へ。動物病院にやってくるのは……
やまの動物病院
作・絵:なかがわちひろ
みどころ
山のふもとにある小さな町。その町のはずれの一番山に近いところに立つ「まちの動物病院」。先生の名前は、まちのよしお。「よしよし」というのが口ぐせです。まちの先生は、ねこのとらまるとくらしています。
小さな町なので、けがや病気の動物はたまにしか来ません。うっかりいねむりだってしてしまいます。でも患者さんが来れば腕のいい先生を、とらまるは片目で熱心に眺めます。先生の治療をこっそり勉強しているのです。
ゆうやけ時刻になると、先生はドアの外にかけているふだを裏返します。
「まちの動物病院 きょうのしんさつはおわりました」
先生は、じぶんととらまるのごはんを作って、食べて、お風呂に入り、ベッドで本を読み始めるとまぶたがだんだん閉じていきます。そうなると、ここからはとらまるの出番です。
バリバリとつめをといで気合いを入れると、裏口にある「ねことびら」のふだをひっくりかえすのです。
「やまの動物病院 どうぞ」
規則正しく、でもなんだか楽しそうに暮らす先生と、一見ただ寝ているように見せかけておきながら、先生の治療をしっかり学び、夜になると山の動物たちの治療に忙しく奔走するとらまる。そのとらまるの二面性がとってもユーモラスで、また先生ととらまるがそれぞれにマイペースに暮らしながらさりげなくそばにいる距離感にほっこり心が温まります。
さらになんといっても楽しいのは、とらまるのところへやってくる山の動物たちの様子。とくにほおぶくろに口内炎ができてしまったリスや、ガラスびんを頭からかぶったカモが個人的なお気に入りなのですが、そのカモの治療が、ひと晩だけ入院していた犬の歯の治療に繋がる場面は最高です。もちろん先生は、犬の歯がなぜ朝になって良くなっていたかといういきさつは全く知らないのですけどね。
絵本の創作作品や翻訳作品でも人気のなかがわちひろさんによるカラーの挿絵がたっぷり入った楽しい絵童話。『天使のかいかた』『めいちゃんの500円玉』『すてきなひとりぼっち』など大人気の絵童話に続き、また新たな絵童話が誕生しました。はじめてのひとり読みにもおすすめです。ユーモアたっぷりの楽しいお話と、とらまるの気持ちが伝わってくる所作や表情に魅力がいっぱい。患者の動物たちもかわいらしく愉快に登場します。またシンプルながらも目に飛び込んでくる和の色彩が美しく、大人の読者も心を掴まれてしまいそうです。
大人も目から鱗! イイタイコトを相手に伝える「プレゼン力」が身につく『99%の小学生は気づいていない!? 思いを伝える「話す力」』
99%の小学生は気づいていない!? 思いを伝える「話す力」
監修:竹内明日香
出版社からの内容紹介
◎10年後のキミが変わる!
未来のために、いま小学生に知っておいてほしい大事な考え方を身につける学習読み物です。教科書では学べない、これから生きていくために大切な力が身につきます。
◎<イイタイコト>を伝えよう!
「話す力」は人と人をつなげ、世の中を動かすきっかけになります。
<イイタイコト>を相手に伝え、なにか変化を起こしたり、人を動かしたりする「プレゼン」を成功させるために、4人の小学生がアスカさんといっしょにトレーニングを体験していきます。
◎世の中は変えられる! そのためにプレゼンがある!
「世の中がどんどんよくなっている」感じることはありますか?
今の世の中は、誰か最初の言い出しっぺが「こうしたい!」を発信したことで少しずつよくなってきたものです。
そんな勇気ある「話す力」を身につけていくための最初の一歩となる「プレゼン」のトレーニングを体験できる1冊です。
《監修者について》
プレゼンアドバイザー。一般社団法人アルバ・エデュ代表理事。子どもの「話す力」の向上を目指し、授業やセミナーを展開している。二男一女の母。著書『すべての子どもに「話す力」を』(英治出版)
子どもたちに身近な「ちびまる子ちゃん」と一緒に、まんがで人間関係で大切なことを学べる必読書!『満点ゲットシリーズ せいかつプラス ちびまる子ちゃんの友だちづき合い』
満点ゲットシリーズ せいかつプラス ちびまる子ちゃんの友だちづき合い
著:登坂恵里香 絵:(株)さくらプロダクション 菊池朋子 原作:さくらももこ 監修:沼田晶弘
出版社からの内容紹介
累計550万部突破の満点ゲットシリーズから、待望の新刊が登場!
「友だちできるかな…」
「上手に気持ちを伝えたい!」
「友だちとうまくいかないときは?」
そんななやみを解決!
ちびまる子ちゃんとなかまたちのまんがを楽しみながら人間関係で大切なことを、自然と学べます。
現代の子どもの必読書です!
【「監修ぬまっちからのメッセージ」より】
自分の気持ちを大切にする人は、相手の気持ちも大切にできる。
自分の気持ちと相手の気持ち、どちらも大切にできれば、きみの毎日はもっと楽しくなるはずだよ!
【監修者略歴】
沼田晶弘(ぬまた・あきひろ)
東京学芸大学附属世田谷小学校教諭。
児童の自主性・自立性を引き出す斬新でユニークな授業が「NEWS zero」「ノンストップ!」など数多くのテレビや新聞、雑誌で話題に。
学校図書「生活科」教科書著者。
満点ゲットシリーズせいかつプラス ちびまる子ちゃんの『整理整とん』『マナーとルール』『時間の使いかた』『ラクラク勉強法』など、監修本や著書多数。
【もくじより】
〈プロローグ〉みんな、なやんでいるんだね
〈エピソード1〉友だち、できるかな?
●友だち作り、こんなことからはじめてみよう
●好きなことなら会話がはずむ
[ぬまっちのツボ]「自分取扱説明書」を作ろう
●ゆうきを出して声をかけてみよう
[コラム]ふんわりことばとトゲトゲことば
〈エピソード2〉こんなとき、どうする?
●苦手な人と同じ係になっちゃった
[ぬまっちのツボ]「ちょうどいいきょり」を見つけよう
●かげ口をいわれちゃった
●いいにくいことを伝えたい
●友だちとついくらべてしまう
[コラム]人にいってはいけないこと
●親友と思っていたのは自分だけ?
〈エピソード3〉いじめ、どうしたらいい?
●どうしていじめがあるの?
[ぬまっち先生に質問!]これっていじめになりますか?
[ぬまっちのツボ]イライラコップを知っておこう
●もしもいじめにあったら
●まわりの人にできることは?
[コラム]インターネットやSNSでのいじめ
[コラム]子どもの権利条約
〈エピソード4〉クラスはチームだ!
●話し合いにはコツがある
[ぬまっちのツボ]加点法で伝えよう
●協力し合うってむずかしい?
●チームワークっておもしろい
[ぬまっちのツボ]自分を知っている人は強い
〈エピローグ〉みんなちがって、みんないい
英語を「目で見る」ってどういうこと? 単語と写真で英語に興味を持つきっかけが生まれる『目でみるえいごのずかん』
目でみるえいごのずかん
著:おかべたかし 写真:やまでたかし
出版社からの内容紹介
英語は見るとわかりやすい!
「ツリー(tree)」と「ウッド(wood)」
日本語だと両方とも「木」だけども、
英語ではどう使い分けているの?
など、にている英語を写真でみくらべてみると、
その違いがよくわかる!
他にも、
「落ちる」は「fall」
「秋」も「fall」
といった、同じつづりでも違う意味の英語や
「マツ+リンゴ=パイナップル」など、
足すと生まれる英語を
写真でみて、理解する、
もっと英語がみたくなる図鑑!
第一線で活躍する書き手と画家によって新たに紡がれる『決定版 心をそだてる はじめてのイソップとグリム36』。読み聞かせにもひとり読みにも最適で、ギフトとしても喜ばれます
決定版 心をそだてる はじめてのイソップとグリム36
出版社からの内容紹介
イソップとグリムから、はじめての読み聞かせにふさわしいお話を36編収録。
一流の書き手による、聞いてわかりやすい文章と、一流の画家による美しい挿絵で、はじめてのお話体験をもりあげます。
*読み聞かせにかかる時間(3分~8分)の目安つき。
*すべての漢字にふりがなつきで、はじめての一人読みにもぴったり。
*監修 川島隆太(東北大学教授 東北大学加齢医学研究所所長)
*執筆陣(あいうえお順)
石崎洋司 神戸万知 立原えりか 那須田淳 ななもりさちこ 林木林 堀切リエ
*画家陣(あいうえお順)
朝倉田美子 あべ弘士 銀杏早苗 伊野孝行 牛窪良太 eto おくはらゆめ
加藤晶子 カワダクニコ 北澤平祐 北見葉胡 こみねゆら 坂口友佳子
さこももみ ささめやゆき 高畠那生 たしろちさと 田中六大
平澤朋子 堀川理万子 松成真理子 ももろ
(脳科学で証明、子どもの心を育てる「読み聞かせ」より)
人が社会で生きていくために必要な能力は何でしょう。人とうまく関わっていく力、そして多少のストレスに負けず、自分らしく生きていく力ではないでしょうか。親(または身近な大人)と子どもの間で強い愛着関係(心のきずな)ができると、そこが子どもの緊急避難基地になります。子どもはストレスを受けても、親にギュッとしてもらえたら、また自由に活動することができます。ところが、今の情報過多な社会では、親子で過ごす時間が極端に短くなり、強い愛着関係が築きにくくなっています。そこで私たちは、脳科学の観点から「読み聞かせ」の効果について、調べてみることにしました。
まず、読み聞かせをする大人の脳ですが、一番強く活動していたのは、前頭前野の言語を担う場所ではなく、コミュニケーションの領域でした。親は本を読みながら、子どもにコミュニケーションを持ちかけていました。次に子どもの脳を調べました。すると、思考をつかさどる前頭前野はほとんど活動せず、大脳辺縁系という感情をつかさどる場所が働いているということがわかりました。親子の脳を同時に計測すると、コミュニケーションを担う部分が、親子で同じような活動を示し、共感関係(お互いの気持ちを理解し、思いやれる状態)にありました。読み聞かせは、親子の愛着関係を強くする貴重な時間をつくっていたのです。
この本では、短い時間で読めるものから、じっくり楽しめるものまで、36のお話を掲載しています。ご都合にあわせてお話を選び、毎日の生活の中に、「読み聞かせ」を取り入れてみてください。
監修・東北大学教授 川島隆太
高齢者のためのケアシューズを生み出した手袋屋さんの実話『世界でいちばんリクエストのおおいくつ屋さん』は「共生社会」を考えるきっかけになる絵本
世界でいちばんリクエストのおおいくつ屋さん
作:十河ヒロ子、十河孝男 絵:本田 亮
出版社からの内容紹介
「ころびにくいくつをつくってほしい」と たのまれた てぶくろやさんの そごうさん。
くつやさんもつくったことのない 「ころびにくいくつ」を ようやくかんせいさせたそごうさんでしたが……。
だれひとり取り残さないくつ屋さんのお話。
そごうさんは 30年以上つづいている てぶくろやさんです。
あるひ おさななじみに「転びにくいくつ」をつくってほしいと たのまれました。
くつやさんもつくれなかった 「転びにくいくつ」を ついにかんせいさせた そごうさんでしたが……なぜか うかないかおです。
転びにくいくつを おおぜいの人がよろこんでくれましたが、はけるくつがなくて まだ困っている人が ほんの少しだけ いたからです。
そごうさんは ほんの少しの人の声を 大切にしたいと 考えました。
実話からできたおはなし。