定時になったのに帰りにくい…。上司や同僚に合わせて、何となく残業していませんか?/そんな我慢はやめていい
公開日:2023/10/22
現代社会では、仕事、育児、人間関係などのあらゆる場面で「我慢」がつきもの。でもその我慢、あなたの幸せにつながりますか?
『そんな我慢はやめていい 「いつも機嫌がいい自分」のつくり方』は、人生を幸せにする「意味のある我慢」と、幸せにつながらない「意味のない我慢」を区別する視点を与えてくれます。「意味のない我慢」からは逃げてもいいし、無理してがんばらなくてもいいのです。
他人の目、場の空気、同調圧力などを気にせずに、自分らしくご機嫌で生きられるヒントを探してみませんか?
今回は仕事でやりがちな“残業”に関する我慢について。上司や同僚が残業していると、定時では帰りにくいですよね。でもそれは、自分がそう思っているだけかもしれません。
※本作品は『そんな我慢はやめていい 「いつも機嫌がいい自分」のつくり方』(午堂登紀雄/日本実業出版社)から一部抜粋・編集しました
残業したくないのに残業を強いられる
●「帰りにくい」は自分がそう思っているだけ
自分の仕事は終わっていて、もう帰りたいのに上司や同僚がいる手前、帰るに帰れないという状況。これは耐えるに値する我慢でしょうか。
私の見解は「帰っていい」です。我慢するに値しないと思います。
なぜなら「帰りにくい」というのはほかならぬ自分が勝手に抱いているにすぎない感情だからです。自分で空気を読んでいるだけで、じつは周囲は気にしないかもしれません。
「上司からの心証が悪くなる」と恐れているかもしれません。しかし仮にそれで心証が悪くなったとしても、それは業務上の評価にはならないでしょう。相手への好き嫌いは仕事とは関係なく、仕事で成果を出し、チームに貢献しているならそれでいいはず。
もちろん上司も感情のある人間ですから、もしかしたら評価に影響を与える恐れはあります。仮にそうなった場合も自己主張できるように、客観的評価を集めておくことです。
また、「ひとりだけ早く帰ると、チームワークとか職場の雰囲気を乱していると思われる」と恐れているかもしれません。
しかし職場のチームワークは一緒に残業しているかどうかで決まるものではなく、相乗効果で生産性の向上といった成果につながることのはず。
もちろん「手伝って」と請われれば自分のできる範囲で手伝ってあげてもいいのですが、みなそれぞれ受け持っている仕事があり、そこに責任があるわけです。安易に手を貸すことが、本当にその人のためになるかは別問題でしょう。
●自分の貴重な時間を費やす価値があるか?
自分の仕事をきちんとこなして定時で帰宅することを「なんだアイツ、いつも早く帰りやがって」と思っている人がいるとしたら、それこそなんの根拠もないただのやっかみにすぎません。
「私を批判する合理的な理由でもあるんですか?」「私が早く帰ることで誰か困る人がいるんですか?」という話です。
ではそんなことを言う人間に、はたして気をつかう価値があるのかどうか。そんな人間のために自分の貴重な時間を費やす価値があるのかどうか。残業するフリをしたところで、自分の未来がどう好ましく変化するのか。
無意味な残業のみならず、その残業代が出ない、休憩時間がない、自爆営業を強制されるなどに心当たりがあり、それらを我慢しているせいで自分の心身を蝕んだり良心が傷んだりしているのであれば、「従わない」のもひとつの判断です。
コンプライアンス意識が高まっている昨今、職場の理不尽のほとんどは従う必要などなく、それが法令違反なら上司にそう伝え、話にならなければさらに上の上司に掛けあえばいいのです。
もちろん正論ばかり吐いていては職場で疎ましく思われるため乱発はしないほうがいいですし、あえて自分を抑えて周囲に合わせたほうが穏便に済ませられるという場面もあるので、そこは見極めが必要です。
しかし、「自分の成長」とか「良好な労働環境」を阻害するような暗黙的ルールは、この際無視してみるのはいかがでしょうか。案外、杞憂に終わるかもしれませんよ。
<第4回に続く>