おかずいらずの2品献立とは? 笠原将弘が教える一汁一飯のレシピ「ごま担担豚汁」「しらす明太おろしごはん」【作ってみた】
PR 更新日:2023/11/1
恵比寿の「賛否両論」と言えば、予約が取れないことで有名な和食屋さん。そのお店のマスターである笠原将弘さんの最新レシピ集『和食屋が教える、旨すぎる一汁一飯 汁とめし』(主婦の友社)が刊行されました。“汁とめし”というシンプルなレシピのポイントは、“誰でも気軽に作れること”。はっきりいって料理は不得意で、家族に作る食事のレパートリーも少ない筆者が、気になるメニューを作ってみました!
最初に作ったのは「主役になる汁」の一つとして紹介されている「ごま担担豚汁」。担担汁と豚汁を合わせたような豆乳ベースのコクのあるスープに、豚バラ薄切り肉・もやし・にら、とコスパのいい具材を入れて作ります。
作ってみた感想は、「驚き! 担担スープってこんなに簡単に作れるの!?」ということでした。お店で食べるものだと思っていたので…。ポイントは、最初にごま油で豚肉を炒め、にんにくとねぎで香りづけをすること。あとは、だしや具材、調味料を順番に入れて煮るだけです。汁物をフライパンで作る、というのが、本格的でテンションが上がります!
ごまの香りを嗅ぐだけでも、おなかがすいてきました…。食べてみると、ごまの風味やら、野菜のうまみやらが混ざり合って、深みのある味わい。ピリピリ感もちょうどいい。これぞ、おかず不要の主役汁。白めしのおかわり、確定です。
“担担スープ”って何でできてるんだろう…と作る前は疑問に思っていましたが、このレシピでは、普段よく使う調味料に加え、豆乳、ねり白ごま、ラー油などを揃えるだけで完成。しかも、これらの調味料を混ぜておいて、最後に投入したり、後から振りかけたりするだけで、むずかしい調理は何もなし。拍子抜けするほど簡単。このおいしさを自宅で堪能できるなんて…感動を隠せません!
筆者はねり白ごまを初めて購入しましたが、胡麻和えや胡麻だれにも使えるので、一つ持っていると便利! 「ごま担担豚汁」のために今後は常備しよう、と心に決めました。
※注:汁の上にのせたとうがらしは、庭で収穫したものを使用。本の中では糸とうがらしが使われています。もし手元に糸とうがらしがあれば、さらに格好よくなります。
次に作ってみたのは「だしとりいらずのみそ汁」。わざわざだしをとることなく、あさりなどの貝類や塩さば、鶏手羽などの食材から上手にうまみをひきだして作る汁物のレシピが紹介されています。ベーコンのうまみを利用したみそ汁「ベーコン、もやし、バター」にチャレンジしました。
ベーコン(洋)とこぶ(和)を一緒に煮る、という鍋の中の光景はかなり新鮮でしたが、このだしがまた、コクとうまみがあって本当においしい。もやしはフライパンでバターと塩で炒めてから、アツアツのままお椀に直接よそうのがコツ。シャキシャキのもやしを口に入れると、バターの甘みがジュワーッ。だしって、こんなに簡単にとれるんですね!
もう一つ、「気負わず作れる のっけめし」の中から、「しらす明太おろしごはん」を作ってみました。汁とめしだけじゃ足りない…という時に作る「のっけめし」です。
白めしの上に、大根おろし、ほぐした明太子、しらす干し、貝割れ菜を彩りよく盛り付けるだけ。さっぱりしているのに、噛むたびに違う味が舌の上に飛び込んできて、口の中はとても賑やか。4つの具材をのせた魔法の一杯なので、「貝割れ菜はなくていっか」なんて言わず、“全部のせ”でぜひ。
おかず作りは絶対ではない
主菜や副菜のおかず作りは絶対ではない。具だくさんの汁に白めし、もしくはシンプルな汁に具入りのめし。この2つが家の食事の基本であり、一日のうちの一、二食はこの組み合わせだけで十分だと思う
たしかに毎回の食事でがっつりおかずを食べなくてもいいし、汁もごはんも具材たっぷりのものが多いので満足感もバッチリ。好みや年齢やその日の気分に合わせて副菜をあわせればそれでいいスタイルはおおらかで、なにより、思わぬ食材の組み合わせの妙が生きるプロの味が、こんなに簡単に作れるなんて…。家族のためにも自分のためにも、いろいろ作ってみたい!と思いました。
「料理は面倒。簡単に作れておいしいごはんを食べたい」という人や、「小さな子どもがいてゆったり調理をする時間がないけれど、栄養があってスペシャル感のあるもの作りたい」という人にもおすすめです。
文=吉田あき