12種類の定番食材があれば作れるレシピ

　豚薄切り肉、鶏肉、ひき肉、卵、トマト、ブロッコリー、キャベツ、にんじん、玉ねぎ、じゃがいも、もやし、きのこ…これが本書で紹介されている12食材です。たしかに、いつも買い物カゴに入れているような定番のラインナップ。比較的お安く買える食材が多いのも嬉しいところです。

　レシピは、この12種類の食材を使った「メインおかず」「サブおかず」「汁もの」「ご飯・麺」の4パターン。「メイン」＋「汁もの」、「メイン」＋「サブ」など、好きなメニューを組み合わせることができます。今回は「メイン」「サブ」「汁もの」の3種類を1食分にしてみました。分量はすべて2人分です。

「豚こま肉」＋「キャベツ」のメインおかず

「メインおかず」は、肉や卵と一緒に野菜がとれるのがポイント。栄養バランスが良さそうだし、満腹感にもつながりそうです。この日は豚こま切れ肉とキャベツが余っていたので、「塩もみキャベツの焼き肉のっけ」を作ってみました。

　使った12食材は「豚こま切れ肉（200g）」＋「キャベツ（3枚）」です。

　キャベツはせん切りにして塩をふり、しばらく置いたら水気を軽く絞ります。豚肉は食べやすく切って炒め、色が完全に変わってから、市販の焼き肉のたれをかけてからめます。器にキャベツをのせ、その上にお肉を盛り付けて完成！ 調理時間は約10分でした。

　筆者宅では豚こま切れ肉で肉野菜炒めを作ることが多いのですが、どうしてもマンネリになりがち。同じ豚肉と野菜でも、一緒に炒めるのではなく別々に調理することで、彩り良く、“メイン”らしい一品になりました。焼き肉のたれは、牛肉だけでなく豚肉にもよく合って、食欲をそそります。

　また、塩もみキャベツが絶妙！ キャベツを塩でもむことで、シャキシャキ感を残したまましんなりと柔らかくなり、ほんのり塩味が効いていて爽やか。肉との相性が良く、生野菜が苦手なお子さんでも食べられそうな美味しさでした。

「じゃがいも」でサブおかず

「サブおかず」は、「野菜がもう一品欲しいな」という時に、残り野菜1つでも作れるお助けレシピが充実。今回は、じゃがいもを使ってできる5種類の副菜の中から「ポテトガレット」を選びました。

　使った12食材は「じゃがいも（中一個）」のみです。

　じゃがいもは皮をむいて細めのせん切りにしたら、ボウルに入れて、塩、薄力粉をふり入れ、水を加えて混ぜ合わせます。ちなみに、でんぷんの効果でまとまりやすくなるので、下ごしらえでじゃがいもを水にさらす必要はなし。混ぜ合わせたじゃがいもはフライパンに薄く広げ、両面を約5分ずつ焼けば出来上がりです。

　他のレシピもそうですが、加熱時間が「●分ほど」ときっちり書かれているので、料理が得意じゃない人でも作りやすいのではないでしょうか。

　仕上がったガレットは、外はカリッ、中はモチッとして香ばしい美味しさ！ じゃがいもはどうしても火が通るのに時間がかかるため、調理時間は約15分と長めに思えるかもしれませんが、そのうちの10分は焼いている時間なので、他の料理との「ながら調理」であっという間に仕上がりますよ。

「にんじん」＋「玉ねぎ」で汁もの

「汁もの」は、献立のアクセントになって満腹感も得られる一品ばかり。1つの食材で作るレシピ、数種類を組み合わせたレシピの中から、野菜を2種類使った「にんじんのクリームスープ」にトライしました。

　使った12食材は「にんじん（中1/2個）」と「玉ねぎ（中1/2個）」です。

　にんじんは短冊切り、玉ねぎは薄切りに。鍋にバターを入れて材料を炒めるのですが、まろやかに仕上げるには、鍋に加える順番が肝心。まずは野菜、次に薄力粉、さらに水とスープの素を加えたら、最後は牛乳と塩コショウ…とレシピがわかりやすく、仕上がりはとろっとろになりました。

　ホワイトソースでダマができやすいという人も、このレシピ通りに作れば、ダマのない簡単まろやかミルクスープが作れること間違いなしです。にんじんと玉ねぎのシャキシャキ感も食べ応えあり。調理時間は約10分でした。

組み合わせ自由！冷蔵庫にあるものでチャチャッと

　豚肉＋野菜、鶏肉＋野菜、野菜2種類、野菜1種類…など、12種類の定番食材を自由に組み合わせて作る250種類のレシピ。調味料もしょうゆ、砂糖、みそ、ポン酢、めんつゆなど基本的なものがほとんど。冷蔵庫にあるものだけで、買い足しすることなく、ワザありの一品をチャチャッと作れます。

　他にも、フライパン1つで簡単に作れるワンパンパスタや、タイ料理や韓国の風味を取り入れた丼系など、バリエーション豊かで飽きることがなさそう。保存のきくメニューが多いのもポイント！

　調理工程が少なめで、忙しい人でも気負いなく作れること請け合い。美味しく食べて、節約にもつながりそうです。

文＝吉田あき

新星出版社のライフマガジン『Fun-life!』
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