民間の保険や貯蓄型保険に入らない理由とは? 家族が安心して暮らしやりたいことを諦めないための理系夫の家計大作戦
更新日:2023/12/13
大きな声では言えませんが、私は家計管理が苦手。そもそもお金のことを考えるのが苦手で、独身時代も何も考えていませんでした。一方で夫はお金の管理がとっても得意。残高管理から投資先、保険選びに至るまで、すべて積極的に行ってくれています。それをいいことに私の知識は増えないまま。子どもも小学校に入学し、これから教育費もかかっていくのにこれでいいのだろうかと思っていたところ、発見したのが『お金の不安すっきり解消! 理系夫の家計大作戦』(くぼこまき/オーバーラップ)です。本書の著者であるくぼこまきさんも私同様お金のことを考えるのが苦手。お金の管理は著者のご主人である理系夫さんが行っています。本書はくぼさんがご主人から教わる形で、ご主人が行っている家計管理術紹介しするものなのです。
まず理系夫さんによると家計管理をするのはお金を貯めるためではなく、家族みんなが安心して暮らし、やりたいことを諦めないため。時間の節約になる調理家電の購入や、当時無職だったくぼさんのスキルを身に着けるための専門学校入学など、投資になるものには大きなお金を払うことに積極的です。またくぼ家は家族での思い出も大切に考えており、旅行などでの出費も惜しみません。そんな使い時、そしてそのための貯め時を考える上で必要なのが人生シート。西暦を縦軸、家族それぞれの名前を横軸に記載し、西暦ごと年齢と受験、退職などライフイベントを書いていきます。このシートをもとに旅行のタイミングや将来への備えを、くぼ家では娘のぱるりちゃん含めて都度話し合っているとのことです。
理系夫さんの節約術はとにかく合理的。日々の家計簿はつけず、生活費を使う口座を100万円などキリのいい数字にして、全体で入ったお金と出ていったお金の差額を把握するのみです。そして節約にはまず水道光熱費、通信費などで同じ使い方をしてもお得になる方法を検討。ラテマネーと呼ばれる、つい毎日買ってしまう出勤前のコーヒーや嗜好品なども固定費扱いで検討。心のうるおいを保ちながら節約できる範囲でみ直します。
そして固定費といえば保険。理系夫さんは家族全員の保険の契約内容をエクセルで管理。家族の現状を踏まえて都度見直しています。保険の話の中でも特に興味深かったのは、理系夫さんの友人医師が民間の保険に入っていない理由や貯蓄型保険に理系夫さんが入らない理由。もちろん判断は人それぞれなのでどちらも個人の考えですが決断をするための知識と家族の現状把握、目的を明確にする重要性を痛感しました。
投資についても理系夫さんはくぼさんに株式投資、投資信託、国債、NISAやiDeCoなどそれぞれの仕組みを解説。その結果、長期運用で分散投資という目標をふたりで立てて進めていきます。正直投資をするのはギャンブルのようなものなのかと思っていた私ですが、本書を読んで、自分の無知に恥じ入るとともに、勉強して家族のために運用してくれていた夫に改めて頭が下がる思いでした。
文=原智香